イランがビットコインマイニングを合法的に再開へ
イランの発電、配電、送電会社である発送配電公社Tavanir社は、仮想通貨マイニングの禁止が早ければ9月22日に解除されることを示唆したことが分かった。
Tavanirによる最近の報告によると、イランは仮想通貨マイニングの一時的な禁止を9月22日以降解除する予定であり、この分野のすべての法律事務所は活動を再開できるとのこと。これまで同国では、NEXTMONEYの特集記事「イランが仮想通貨マイニング業者30社に対してライセンスを発行」、「イランが電力不足危機の中でビットコインマイニングを非合法化」報じているように、電力供給危機に陥った事を理由に、2021年9月22日まで非合法化へとかじを切り、事実上、ビットコインマイニングが禁止されていた。これによって一時的禁止措置が実施されていたビットコインマイニングが国の当局によって、夏の終わりまでにエネルギー消費量の減少を期待し、デジタル通貨マイナーが合法的に事業を再開することを許可することが期待されている。
Tavanirの流通コーディネーターであるゴラマリ・ラクシャハニ・メール(Gholamali Rakhshani-Mehr)氏は当時、イランは補助金付きのエネルギー価格のため、仮想通貨マイナーにとって望ましい場所であったが、マイナーの急増が大量の電力消費を生み出し、国内全体にエネルギー不足を引き起こしたため、それが大きな問題に直面していることをほのめかした。実際、夏季はエアコン使用やさまざまな電力の消費量が急増する月であり、初秋から気温が下がることで、合法的な仮想通貨のマイニングが再び可能になると予想されている。政府は、ビットコインと仮想通貨マイニングが国内で重要な経済活動になると予想しており、5月には10億ドル(約1,098億円)の収益予測が見込まれており、マイニング活動の再開は政府にとっても重要な財源になる。
一方イラン政府は、「イラン政府一般家庭内でのビットコインマイニングを新たに禁止」や「イランが諜報員を使ってマイニング業者狩りを実行か」、「イランで違法マイニングとの闘い:警察が7,000台の仮想通貨マイニング機器を押収」などで報じているように、違法なマイナーのマイニング活動の取り締まりも行っている。未許可マイナーを取り締まる理由に、マイナーが1日あたり約2,000〜3,000MW、つまりテヘラン市の1日の電力消費量の半分を使用していたことが背景にある。そのため、イラン政府は過去数カ月の間に違法なマイナーを取り締まるために厳しい措置を講じてきた。
イランは諸外国からの厳しい経済制裁から脱出する事を目的に、2020年にビットコインマイニングの合法化を開始し、2020年1月に1,000を超えるライセンスが発行されたが、政府は仮想通貨のローカライズに熱心であり、議会は国外でマイニングされた仮想通貨の使用を禁止する法案を検討している。