イラン警察が首都テヘランで7,000台のマイニング機器を押収
イラン国内で、違法なビットコインマイニングが後を絶たず、警察が捜査を続けているなか、先日、テヘラン警察が、廃工場から7,000台のマイニング機器を押収したことを大手メディアのロイターが報じた。
テヘラン警察署長のホセイン・ラヒミ(Hossein Rahimi)将軍によって、イランの首都であるテヘラン市内の廃工場にて、約7,000台の仮想通貨マイニング機器を没収したことを明らかにした。今回のマイニング機器7,000台は、イラン当局によってこれまでに行われた最大規模となった。
イラン国内で後を絶たない無許可マイニング事業
イランでは2021年に入って無許可のマイニング事業摘発強化を実施しており、NEXTMONEYの1月15日付の特集記事「イラン、18カ月間で1,600カ所以上の違法マイニングファームを閉鎖」で報じているように、地元メディアのFinancialTribuneが、18カ月で1,620カ所に上る無許可マイニングファームを閉鎖に追い込んでいる。
イランの安価な電力は、イランへのビットコインマイニング業者の流入を見てきました。ブロックチェーンおよび仮想通貨分析会社であるEllipticの調査によると、イランはビットコインマイニングの4%以上を占めていることが分かっている。
一方でイラン政府は、欧米を中心に2006年より実施されているイランの石油、銀行、海運部門からの輸入を含むすべての輸入の禁止を含めた厳しい経済制裁により財政が苦しくなる中、制裁緩和を目的としたビットコインに目を向けており、当NEXTMONEYでも「イラン、経済制裁影響軽減目的でするためにビットコインマイニングを使用」で報じている。
しかし、イラン政府はマイニングで経済制裁を緩和する一方、「イランが諜報員を使ってマイニング業者狩りを実行か」で報じているように、同国内の電力供給会社によって、内部告発者の報酬を2倍にし、諜報員のネットワークのサービスを利用してマイニング業者狩りをしていることが分かっている。
中国でもマイニング事業者に対し、操業停止命令が下される
イランが違法なビットコインマイニング活動を取り締まっている間、中国はこのセクターに対し、イランより厳しい全国的な取り締まりを実施している。
「中国の内モンゴル自治区が仮想通貨マイニング禁止8措置を設定」で報じたように、内モンゴル自治区でのマイニング禁止を皮切りに、短期間でマイニング禁止策を実施。「中国の規制強化後、ビットコインのマイニング能力の90%以上が閉鎖」でも報じたように、新疆ウイグル自治区、モンゴル、青海省、雲南省などを中心に、同国内のマイニング事業停止通知が発布され、すでにマイニング能力の9割が閉鎖に追い込まれている。また、その結果、「一貫した新しい中国の規制によってビットコイン価格が大幅下落」、「中国のマイニング取り締まり後、ビットコインのハッシュレートが一晩で17%低下」で報じているように、ビットコイン価格の急落や一晩でビットコインハッシュレートの17%が低下するなど、大きな影響を与えている。