米金融大手フィデリティ、ビットコイン担保の貸付サービスを発表
大手金融機関のFidelity(フィデリティ)の子会社である仮想通貨関連企業Fidelity Digital Assets(フィデリティ・デジタル・アセット)は、貸付サービスを提供するBlockFiと提携し、ヘッジファンドや機関投資家がビットコインを担保として現金を借りることができる金融サービスを発表した。
9日、ブルームバーグが報じた内容によると、機関投資家などは、ビットコインを現金融資に対する担保として使用するオプションを使用して資金を借り入れることが可能になる。また融資を受ける機関投資家の条件は、BockFiの口座を保有することを条件として、担保とするビットコインの60%の総資産有利子負債比率(Loan to Value)として借り入れることが可能だ。
またフィデリティ・デジタル・アセットのトム・ジェソップCOEは、ブルームバーグに対して次にように語っている。
ビットコインを保有してローンを返すことは 、エコシステムのかなり重要な部分になるだろう 。
フィデリティがビットコインを担保にした貸付サービスを提供するのは、今回が初の事例となる。また報道では、フィデリティがビットコインを担保にしたローンサービスを提供する顧客について、ヘッジファンド、マイニング事業者、OTCデスクなどの機関投資家に限定される可能性が高いという。
フィデリティは仮想通貨事業に前向き
米国の投資大手として知られるフィデリティはこれまで、時価総額トップのビットコインなど仮想通貨に対して前向きな事業姿勢を見せてきた。今年7月には、ビットコイン マイニング企業であるHut8の株式の10%を取得。idelityは2014年以来ビットコインの採掘を行っており、長年にわたって同社はこの成長産業への投資を増やし、2017年5月にはコインベースとフィデリティの統合を報告している。
さらには、昨年3月には機関投資家向けのカストディサービスの提供を開始しており、機関投資家との関係性や信頼は厚い。ビットコインは2020年に突入し、大きくその価格を飛躍させているが、今後のさらなる成長を見越して、保有している機関投資家も多い。そのため、今回のフィデリティが提供するビットコインの担保にした貸付サービスへの需要は、機関投資家から多くの需要が生まれそうだ。