インドの仮想通貨取引所で過去最高取引量を記録
CoinMarketCapによると、インドの仮想通貨取引所であるWazirxの24時間のトレーディングボリュームが、過去最高である2億800万ドル(約230億円)を突破したことが明らかになった。
グローバル仮想通貨取引所であるBinance(バイナンス)所有の取引所であるWazirxは、インド国内の企業や個人による仮想通貨の使用や採用の傾向が強まっており、高い流動性を確保しているようだ。取引は137銘柄の通貨で行われたことが明らかになっており、ビットコイン(Bitcoin/BTC), ワジールX(WazirX /WRX), トロン(TRON/TRX),イーサリアム(Ethereum/ETH), マティックネットワーク(Matic Network /MATIC), ドージコイン(Dogecoin/DOGE),ジリカ(Zilliqa/ZIL)などが最も多く取引された仮想通貨であった。
若年層の仮想通貨取引が活発なインド
WazirxはインドのINR(インドルピー)市場でも最も高い流動性とトレーディング量を誇っている取引所であり、大部分のユーザーは22歳から30歳若年層のユーザーだ。
現在、180万人のユーザーを抱えているとされているWazirxだが、実際、アプリストアでの仮想通貨アプリのダウンロード数やウェブトラフィックのデータを考慮すると、インドには1,000万人を超えるユーザーがいるのではないかと推測されている。さらに、インドは中国に次いで2番目に多くのオンライン人口を抱えており、5億人以上のユーザーが、世界でも最も安価なインターネットを活用していることも仮想通貨に追い風となっている。
BBCによると、モバイルデータの1GB(ギガバイト)はアメリカでは12.37ドル(約1,360円)で、世界平均は8.53ドル(約938円)であるのに対して、インドではわずか0.26ドル(約29円)で利用できるのが現状だ。その一方で、インド中央銀行にあたるRBI https://www.rbi.org.in/ (Reserve Bank of India=インド準備銀行)は2018年4月、インドの銀行が仮想通貨取引所や関連企業にサービスを提供することを禁止の発表を行っており、結果的には撤回されたものの、未だに仮想通貨の法整備が整っていないことも課題とされている。これらの流れは、NEXTMONEYの特集記事「インド、仮想通貨禁止提案でマイニング業者とトレーダーにペナルティか」、「インド財務大臣、デジタル通貨を禁止しないと明言」、「インド規制当局、IPO前にビットコインを売却するよう企業に圧力」、「インド財務省・中央経済情報局、ビットコイン取引に18%課税提案提出」などでも報じている。
Wazirxのニスチャル・シェティー(Nischal Shetty)CEO(最高経営責任者)は次のように語っている。
財務大臣は、インドは仮想通貨を禁止しないと述べました。そのため、インド市場が急速に成長していることを考えると、政府は肯定的な仮想通貨規則をもたらすだろうと信じています。
Wazirxは現在、2021年に1日に1億ドルのトレーディングボリュームを継続することを目指しており、インドの仮想通貨市場に高い期待感を見せている。