オランダ警察が史上初NFT押収
オランダ警察は、盗まれたデータの違法販売事件の捜査の一環として、オランダで初めて仮想通貨とNFT(非代替性トークン)を押収したことを発表した。
3月30日(水曜日)付けオランダ警察の法執行機関の声明によると、個人データの違法取引に関する進行中の捜査の一環として、NFTと仮想通貨を押収したと発表。23歳と19歳の男性容疑者2名が、詐欺や不正に使用するために個人データを悪用した疑いがあるとして逮捕されており、容疑者が所属するチームが組織的に盗んだデータを悪用して仮想通貨などを窃取。現地メディアが報じたように、NFTに関しては、オランダ北部の容疑者の自宅を家宅捜査した際に押収されたものとのこと。
押収仮想通貨は詳細非公表のオランダ警察
オランダ警察は、押収した仮想通貨の具体的な量を明らかにしていないが、同警察は2021年、3,500万ユーロ(約3,900万円)の仮想通貨を押収している。
同警察は、押収した仮想通貨にどのようにアクセスしたかは明らかにしていないが、ある技術専門家は当局が裁判所の命令で容疑者の秘密鍵を入手し、それによってNFTを押収できた可能性が高いと述べている。しかし、オランダ警察は押収した仮想通貨をどう扱うかについても明確にしておらず、今後、オランダの裁判所が決定する予定とのことで、同警察の広報担当者は、次のように語っている。
もし裁判官が押収した仮想通貨をオークションにかけると決めたら、いくらで売れるかが明らかになるだろう。
世界的にもNFT押収が続々と
オランダ警察による今回の押収は、同国初だが、英国などではすでに押収が行われており、2022年、190万ドル(約2億3,000万円)の税金詐欺事件で初のNFT押収が実施されている。
仮想通貨の押収は、オランダだけでなく世界的に見ても一般的になっており、NEXTMONEYの2022年2月9日付特集記事「米・規制当局がビットフィネックスのハッキングで盗まれたビットコイン48億ドルを押収」で報じているように、米国の規制当局が仮想通貨取引所Bitfinexのハッキングに関連して36億ドル(約4,387億円)ものビットコインを押収。英国でもダークサイトSilk Roadに関連する66万7,000ドル(約8,000万円)の仮想通貨を押収している。
仮想通貨に関してはその匿名性から、押収が困難であるとされていたが、最近では各国当局の連携や追跡システムの発展により、その追跡が以前よりも容易になっている。