DOJがBitConnectから押収の仮想通貨5,600万ドルを販売へ
DOJ(United States Department of Justice=米国司法省)は、ポンジースキームBitConnectに対する訴訟に関連して押収した5,600万ドル(約63億円)相当の仮想通貨を販売することを計画していることを発表した
今回、仮想通貨を含む史上最大の詐欺の1つを実行したBitConnectの米国プロモーターから押収した約5,600万ドルの収益が販売される予定だDOJのトッド・W・ロビンソン(Todd A Robinson)裁判官は、DOJとカリフォルニア南部地区の米国弁護士事務所から、BitConnectの仮想通貨スキームからの収益を差し押さえるという要請に同意したばかりである。米国政府は、販売された収益を仮想通貨ウォレットで保管することで、判決時の裁判所による将来の賠償命令に従って被害者に賠償を提供する予定とのこと。
米国最大規模の押収額
DOJによると、この規模の押収は米国の仮想通貨詐欺からの押収のなかで、もっとも大きいもので、被害総額は20億ドルを超えるという。
一方で、米国政府が数百万ドル相当の仮想通貨の販売をどのように処理するのか、またはビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアム(Ethereum/ETH)などの主要仮想通貨の価格にどのような影響を与えるのかについては明らかになっていない。
BitConnectは、ビットコインを取引することでお金を稼ぐ自動プログラムを謳った取引詐欺を行っており、利益は利息の支払いを通じて投資家に還元されると主張していた。BitConnectの貸付プラットフォーム自体は、州の規制当局からの停止命令に従って中止した後、2018年に閉鎖されてしまったため、多くの投資家が保有する仮想通貨がプラットフォームから引き出せなくなってしまっている。
しかし、SECによるとBitConnectはビットコインを取引するためのプログラムを使用してておらず、プロジェクトの元ディレクター兼プロモーターであるグレン・アルカロ(Glenn Arcaro)容疑者が、自分のためにビットコインを吸い上げ、資金を調達するのを助けたプロモーターと分け合ったとみている。実際、同容疑者については2021年9月に詐欺罪で有罪が宣告されており、BitConnectの犠牲者に2,400万ドルを支払うように命じられている。DOJによると、2022年1月7日にアルカロ容疑者への最終的な刑が宣告される予定で、最大で20年の懲役の可能性がある。