JPモルガンとロシア国営銀行が仮想通貨実験へ
ロシア最大の国営銀行Sberbank(ズベルバンク)が、仮想通貨取引ビジネスへの参入を検討していることが分かった。
大手メディアのロイター通信によると11月30日(月曜日)、Sberbankは2021年に、Sbercoin(ズベルコイン)と呼ばれる独自通貨を発行する可能性があることをゲルマン・オスカロヴィチ・グレフ(German Oskarovich Gref)最高経営責任者(CEO)が語ったことを報じた。
ズベルバンクは仮想通貨の「実験」についてJPモルガンと協力。同社は、独自のコインであるJPMCoinと呼ばれるステーブルコインを発売しており、高い関心が寄せられている。「JPモルガンの「JPMコイン」、大手テクノロジー企業で商用利用開始へ」でNEXTMONEYが報じた様に、今年10月に“某ラージテッククライアント(大規模技術クライアント)”の送金支援のためにJPMCoinが使用されており、同じ頃にJPモルガンはコインを取り扱うために関連会社のOnyx (オニキス)社を設立したことがCNBCによって報じられている。
ロシアでは来年1月1日に発効される予定の新法案の導入により、仮想通貨取引は許可されるが、ロシア居住者が支払い手段として仮想通貨を使用することを禁じるなど、厳罰化へと規制されることをNEXTMONEY「ロシア、無申告仮想通貨取引で懲役の可能性浮上」でも報じた。グレフ氏は今回の件について次のように述べている。
1月1日から新法案が施行され、デジタル金融資産の購入サービスを提供する新しいブロックチェーンプラットフォームを市場に投入したいと考えています。
Sberbankのルゲイ・ポポフ(Sergei Popov)取引事業部長は8月、銀行はロシアルーブルに固定されたステーブルコインを発行し、機関投資家の取引の決済に使用できると述べた件について「ロシア最大の銀行、独自ステーブルコインの発行を検討」で報じた。
ロシア中央銀行第一副総裁であるロシア銀行のオルガ・スコロボガトバ(Olga Skorobogatova)氏はウェビナーで、デジタルルーブルを構築する民間企業に反対したと述べ、ロシア中央銀行は独自のデジタルルーブル作成を検討している。
ロシア中央銀行の責任者であるエルビラ・ナビウリナ(Elvira Nabiullina)氏は今年10月、デジタルルーブルのパイロットバージョンが2021年末までに準備できると発言。ロシア中央銀行は報告書の中でナビウリナ氏が、「支払いをより速く、より簡単に、より安全にする」と述べたことが記載された。