バイナンスが米国ユーザーへ、14日間でアカウント閉鎖を要求
仮想通貨取引所バイナンス(Binance.com)は、規制を受けていないプラットフォーム上の米国ユーザーに対して、14日間でアカウントを閉鎖するよう通知メールを送信していることが分かった。
バイナンス(Binance.com)は現在、米国ユーザーの使用を規制しており、米国ユーザーのて生きていな検査を行った結果、米国ユーザーであるのにも関わらずプラットフォームに登録しアクセスしようとしていることを確認したという。これに対してバイナンスは14日間でアカウントを閉鎖することをメールで通知し、これらの指示に従わないユーザーに対してはアカウント閉鎖の措置を行うようだ。
親愛なるユーザーの皆様へ、当社は既存のコントロールの定期的な検査を常に行っておりますが、お客様が米国ユーザーであることを確認した上でBinanceにアクセスしようとされていることに気付きました。当社の利用規約に基づき、米国人にサービスを提供することはできませんのでご注意ください。14日以内にアカウントのアクティブなポジションをすべて決済し、すべての資金を引き出す必要がありますが、それを怠るとアカウントはロックされます。
今回の通知メールは、米国ユーザーがバイナンスプラットフォームの使用を禁止する以前からの対策が、加速していることを示している。しかし、バイナンスが米国ユーザーにプラットフォームからの撤退を要求したのは今回が初めてではない。バイナンスは今年11月、米国ユーザーのアクセスを一部ブロックしており、その際にも今回と同様に米国ユーザーと思われるアカウントに対して、IPアドレスに基づいてメールを送信している。
バイナンスが米国ユーザーをブロックする動きは昨年6月、同年9月から米国居住者へのサービスを停止すると発表したことが始まりだ。発表時点では、米国ユーザーに対して90日間の期限を与え、サイトの利用規約に違反していないとする証拠を示すもしくは、これらの証拠を示せないユーザーへは、取引や入金機能へのアクセスを失うことを通知していた。
バイナンスUS立ち上げも、米国ユーザーはバイナンスを使用する
この警告は、バイナンスがBAM Tradingと提携してバイナンスUSを立ち上げると発表したことによる措置であるが、バイナンスUSはバイナンスと比較すると、取り扱い仮想通貨やサービス内容が異なることから、現時点でもバイナンスを使用する米国ユーザーが存在している。
バイナンスの一連の米国ユーザーに対するプラットフォームからの追放は、米国規制当局など の警告による対策であるが、バイナンスがこの警告を無視することが可能である。その一つの要因として、バイナンスはユーザーが提供した情報に依存しており、ユーザーが口座開設時に米国国民ではないことと主張することが可能な体勢があるためである。以前バイナンスでは、段階的な検証システムを採用しているが、KTC(本人確認)を承認することなく、ビットコインを含む仮想通貨の入出金はもちろん、取引が可能であった。そのため、米国ユーザーであっても口座開設や取引をすることができるのだ。
仮想通貨取引所への規制が強化
昨年、ローンチしたバイナンスUSだが、米国ユーザーの追放に関する警告を加速させたのは今年に入ってからである。この警告などの措置については、世界最大のデリバティブ取引所BitMEXが米規制当局に訴訟されたことが大きく関係しているだろう。
CFTC (米商品先物取引委員会)は今年10月、米国国内において違法な活動をしたとして、BitMEXに対してマネーロンダリングおよびその他の民事訴訟を提起した。また、同日に開封された別の起訴状では、ニューヨーク州連邦検事が銀行秘密法に違反と陰謀を犯したとして、取引所の所有者であるアーサー・ヘイズ(Arthur Hayes)氏、ベン・デロ(Ben Delo)氏、サミュエル・リード(Samuel Reed)氏に対して刑事訴訟を起こしている。
これは、規制の承認を受けていないBitMEXが、米国ユーザーに対してサービスを提供したことが要因となっており、この発表を受け、次に危険視されていた取引所がバイナンスだったのだ。前途したように、バイナンスも同様に米国ユーザーをはじめ、規制されていない国のユーザーにサービスを提供している現状があり、これには日本も規制されていない国として含まれている。
今後の米国ユーザーに対するサービス提供に対して、どこまで警告や措置を実施し、規制当局による警告を回避していくか進展には注目が集まる。
記事参照:Decrypto