Filecoinネットワークがストレージの期待を上回る
ここ最近、分散型台帳技術であるブロックチェーンを利用した「ブロックチェーンストレージ」への関心が高まっている。
ストレージ(Storage)は“保管場所”を意味し、ブロックチェーンストレージとはブロックチェーンの保管場所である。既存のオンラインストレージは、既にいくつかのサービスが提供されているものの、これらは提供元の特定企業が一括で集中管理され、性能やサービスが充実しているが、メンテナンスなどで停止すると、途端にデータにはアクセスできなくなるうえ、最悪のケースではデータそのものが消失してしまう恐れもある。
そこで注目されたのがブロックチェーンの特性に目を付けたブロックチェーンストレージで、ProtocolLabs(プロトコルラボ)社のホアン・ベネット(Juan Benet) CEO兼創設者は、Filecoin(ファイルコイン)ネットワークが大規模ストレージに対する期待を上回っていることを、Decryptoのインタビューで明らかにした。
2017年のICOから2億ドルの資金調達に成功したファイルコインは、今年10月の発売以降、コンピューターストレージをレンタルおよび借用するための分散型ブロックチェーンネットワークが、2018年にIPOを提出したときのDropboxのサイズとほぼ同じ1エクサバイト(EB)のストレージ容量に達し、ベネットCEOは次のように語っている。
従来クラウドと競争し、戦うための規模に到達できることは、多くの人が不可能だと言い、非常に多くの人々が私たちを笑ったが、私たちは今、1エクサバイトを渡しています。エクサバイトは人々が言っていたよりも100倍多く、ネットワークの始まりにすぎない。
大手企業との容量比較
では、実感できるよう、企業の保有する容量を実際に比較してみよう。Twitterは年間約4.3ペタバイト、つまり0.0043エクサバイトを生成している。Googleは、2013年の時点で約10エクサバイトのストレージを保有していると言われている。そして、データ会社Zeeneaは、2019年3月に、Netflixが60ペタバイトの映画やテレビ番組、つまりファイルコインの現在の容量の6%を保存したと推定された。ちなみに…、Googleは、2013年の時点で約10エクサバイトのストレージを保有していると言われている。
Googleは桁違いに容量を保有しているが、これらを比較しただけでもエクサバイトは大量のストレージである事が分かるだろう。しかし、ネットワークにはまだ多くの余剰容量があり、11月19日にチェックされたファイルコインのストレージ統計によると、761ギガバイトのデータが現在ネットワークに保存されている。
ベネットCEOとProtocolLabsは容量を満たすことに注目しておりイーサリアムやその他のブロックチェーンネットワークは、アプリケーションをエンドツーエンドでホストするためのものではなく、例えば、チャットルーム全体をイーサリアムに保存することはできないと指摘した。
容量が拡大した今、ProtocolLabsの次のステップは、アプリケーションを同ネットワークに移行し、その後、新タイプのユースケースと新タイプフロンティアを調査していくという。