菅義偉官房長官、行政のデジタル化する意向を示す=読売新聞

菅義偉官房長官、行政のデジタル化する意向を示す=読売新聞

自民党総裁選に出馬する菅義偉官房長官は6日、厚生労働省の組織再編について意欲的な姿勢を見せており、行政のデジタル化を進めることを目的とした「デジタル庁」の創設を検討する意向を示した。

読売新聞社のインタビューで明らかになった今回のデジタル化については、厚生労働省が予算も圧倒的に多く、これまでに年金問題があったことから、「新型コロナウイルスも厚生労働省だけでは対応できない大きな問題だ」と語り、コロナウイルスが収束した段階で検討することを明らかにした。

事実、社会保障政策を一手に担っている厚労省は、職員の業務負担軽減が課題として挙げられている。そのため、今回のデジタル化の目的は、業務の削減が大きな目的となっているようだ。

デジタル化といえば、日本銀行が発行を検討するデジタル通貨(CBDC)が思い浮かぶ。日銀のCBDC計画は、実証実験が本格始動しており、現時点で具体的な発行計画はないものの、デジタル通貨の研究を深める段階にあるという。日銀は今年1月、CBDCに関する実証や検討を一段階進めることを目的に、決済機構局内に約10人の「デジタル通貨グループ」を設立。新設されるグループは、研究チームを改組し組織上の位置付けも明確にされている。

日本はデジタル化に消極的に先進国である。経済産業省によると、日本のキャッシュレス決済比率は約20%にとどまっており、主要各国のキャッシュレス決済比率は40%~60%と、日本が遅れをとっているのが分かる。また政府は、キャッシュレス決済比率を2025年までに40%程度、将来的には世界最高水準の80%を目指しているが、デジタル化への動きは鈍いままだ。