イギリス中銀がデジタル通貨を検討中
BoE(The Bank of England:イングランド銀行)のアンドリュー・ベイリー(Andrew Bailey) 総裁が、デジタル通貨をめぐる英国中央銀行の取り組みについて学生らとオンラインイベントで話し合った事を今月13日でブルームバーグが報じた。
BoEのデジタル通貨を作成するかどうかの問題を見ており、支払いと社会の性質に大きな影響を与えるので、我々はそれを見ていくつもりだ。数年以内に私たちは、ある種のデジタル通貨に向かっているだろう。中央銀行が公共と民間のどちらがデジタル通貨を提供するのが最善であるかを考えるのは正しいとベイリー総裁は述べている。
BoEは、自国通貨の完全デジタル版を作成するかどうかを検討している世界中の中央銀行の1つであり、今年初めにはBoEチーフキャッシャー兼ノートのディレクターであるサラ・ジョン(Sarah John)氏は、中央銀行がデジタル通貨を研究することは「決定的」であると語っている。
BOEは、独自のデジタル通貨の開発の可能性を評価するためにチームを組む主要な中央銀行のグループの一部であり、その役割はFacebook Inc.のLibraなどの民間セクターイニシアチブによって挑戦されていることを認めている。しかし、BoEがデジタル通貨の開発に完全に注力するにはしばらく時間がかかるかもしれず、デジタル通貨の問題は非常に大きな問題になるだろうとベイリー氏もデジタル通貨発行の道が容易ではないことを示唆している。
今年3月、BoEは『Central Bank Digital Currency(中央銀行デジタル通貨)』と題した56ページにもおよぶレポートを発表している。レポートの中で325年以上に渡って既存銀行サービスを提供してきたBoEが現金の直接やり取りの現象とともに、新たなお金の価値が誕生し、CBDC(Central Bank Digital Currency:中央銀行発行デジタル通貨)の潜在的な利益やリスク、実用性などについて、決済業界やテクノロジープロバイダー、決済ユーザー、金融機関などと連携しながらCBDCを検討していくと述べられている。
なお、BoEは2018年にも当時のマーク・カーニ(Mark J. Carney)総裁によって、CBDCを検討していることを公表。『Central bank digital currencies design principles and balance sheet(中央銀行のデジタル通貨設計原則とバランスシート)』にて、CBDCの潜在的モデルと影響についてレポートを発表している。
現在のBoEベイリー総裁は、ビットコインを所持している人は“すべてのお金を失う準備をするべきだ”と述べている。