カタール国立銀行が米ドル決済高速化を実現
QNB（Qatar National Bank：カタール国立銀行）は、米ドル決済の処理にJPモルガンのKinexys（キネクシス、※旧：Onyx）ブロックチェーン技術を導入し、より迅速な取引と法定通貨による24時間体制のサービス提供を開始した。
中東最大級の金融グループであるQNBグループは2025年9月29日（月曜日）、米ドル建て法人決済の処理にJPモルガンのブロックチェーンプラットフォームを導入した。ドーハに拠点を置く同銀行は、法人顧客向けの米ドル建て決済をこれまで以上に迅速に処理でき、カタールで初となるKinexysデジタル決済システムを導入。法人取引の決済処理を円滑化し、オンデマンドの複数通貨クロスボーダー決済を自動化する銀行となった。
ブルームバーグの報道によると、QNBのトランザクションバンキング担当エグゼクティブバイスプレジデントであるカメル・モリス（Kamel Moris）氏は次のように述べている。
最短2分での支払いを保証できます。財務担当者にとって夢のようなものです
ブロックチェーン技術によって、顧客に24時間365日対応のサービス窓口を提供する米ドル決済システムを構築できると同氏は述べており、主に平日に法定通貨取引を処理し、顧客が受取人に資金が届くまで数日待たなければならない他の従来型銀行と比較して、大きな進歩となった。
Kinexysデジタル決済システム
JPモルガンのKinexysデジタル決済システムは2019年に構築され、現在、1日あたり約30億ドル（約4,448億円）相当の取引を処理しており、2025年3月に、このブロックチェーン部門との提携を開始している。
現在、このブロックチェーンには、中東および北アフリカ地域の主要金融機関8社が参加しており、ファースト・アブダビ銀行、サウジ・ナショナル銀行、エミレーツNBD、ドバイ商業銀行、バンクABCなどが含まれている。
2025年7月にQNBは、DMZ Financeと提携し、DIFC（Dubai International Financial Centre：ドバイ国際金融センター）内に初のトークン化マネーマーケットファンド「QCD Money Market」を立ち上げ、DIFCから正式な承認を受けている。
さらに、ウェブサミットカタール2025（Web Summit Qatar 2025）において、QNBはQFC（Qatar Financial Centre（Qatar Financial Centre：カタール金融センター）と覚書を締結。この覚書に基づき、QNBはフィンテック企業による銀行インフラへのアクセスを許可。また、QNBはデジタル資産、トークン化、組み込み型金融におけるイノベーション支援すを約束している。
