日銀、デジタル日本円の実証実験へ|CBDCの課題は大きく2つ

日銀、デジタル日本円の実証実験へ|CBDCの課題は大きく2つ

日本銀行は中央銀行が構想・発行するデジタル通貨(CBDC)を実現すること可能にするため、技術面に関するレポートを公開した。公開されたレポートではデジタル通貨の課題解決に向けた実証実験を行うことが記されていた。

中央銀行が発行するデジタル通貨については、昨年から中国を中心とした各国がその構想を練っていた。もちろん日本もその国の一つである。事実、今年1月に日本銀行は、6つの主要な中央銀行らと協力し、電子マネーや中央銀行デジタル通貨の潜在的な可能性を調査するために共同研究を行うグループを立ち上げたことを発表している。

この共同研究グループは、日本銀行、カナダ銀行、イングランド銀行、欧州中央銀行、スウェーデン・リクスバンク、スイス国民銀行、国際決済銀行(BIS)が参画し中央デジタル通貨の活用可能性の評価に関する知的を共有することが目的であるという。しかし現在、日本の主要な支払手段は「日本円(現金)」が主流となっており、中央デジタル通貨はもちろんキャッシュレス化とはほど多い決済状況である。隣国の中国や韓国は既にほとんどの国民がキャッシュレス化へ移行しており、デジタル通貨への関心は高い。

日本銀行、6つの中央銀行と協力|中銀デジタル通貨の共同グループ設立

2020.01.22

今回の日銀のレポートでは、中央デジタル通貨が現金同等の機能を持つために「誰もがいつでも何 処でも、安全確実に利⽤できる決済⼿段」であることが求められていると記されている。また、CBDCを検討するに際して、以下の2つの特性を備えることが重要だという。

  • ユニバーサル・アクセス(Universal access)
  • 強靭性(Resilience)

日銀によると、このユニバーサル・アクセスと強靭性の確保は重要な課題であり、CBDCを発⾏する際には、⺠間の決済事業者とは異なる視点から、その設計を考える必要があるという。

「具体的には、①ユニバーサル・アクセス端末によるオフラインP2P決済を実現するうえで技術的な課題の特定に加え、②セキュリティ確保のためのセーフガードなどCBDCの設計・運⽤上の課題、さらにはプライバシーの確保やAML/CFTへの対応といったコンプライアンス上の課題について検討することが重要である。後者② 課題については、オンライン、オフライン決済にかかわらず重要であるが、オフライン環境下ではより対応が難しくなるため、しっかり検討を⾏う必要がある。 」

日本の中央デジタル通貨の実証実験は他国と引けを取っていないスピード感であるが、デジタル通貨への関心が高い中国では既に、デジタル人民元の実証実験が開始されている。中国人民銀行は今年4月、一部の国有銀行が4つの都市でデジタル通貨の内部テストを開始していることが報じられている。報道時には2022年の冬季オリンピックでの使用も想定しているとのことだったが、新型コロナウイルスの影響により最初の実用が遅れる可能性も浮上している。

中国4都市でデジタル通貨の試用開始

2020.04.21

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