トレード風林火山 – 待つ事の重要性【ビットコイン分析】

トレード風林火山 – 待つ事の重要性【ビットコイン分析】

ビットコインは19日の下落の以降、現在まで小康状態を保っています。ビットコインの中長期トレンドは上昇のためXbitでは現在、ロングポジションを取るポイントを待っているところですが、前回の記事以降、ポジションを取っていません。

今日はトレーディングにおけるマネジメントについて少しお話ししたいと思います。まず大まかですが、私がトレーディング参入の条件と、離脱条件としている事は、以下の通りです。

参入条件
  1. 中期トレンドに順張り
  2. 世間が静まっている
  3. 移動平均線等に価格が近接している
  4. 上昇か下落か、明らかなパターンを示している
離脱条件
  1. 世間が騒いでいる
  2. 移動平均線等から価格が大きく乖離している

これだけです。非常にシンプルなのですが、しかしトレーディングで利益を得る為には、これらの項目はどんなハイレベルな相場分析よりも重要な事なのです。しかしながら、これらの条件を守れる人は滅多にいないのも事実です。私自身もこれらの条件が分かっているにも関わらず、なかなか守る事は難しいです。自己分析して分かった事なのですが、実は私の性格はトレーディングには全く不向きです。

私のようなトレーディングに不向きな性格の人間が、どのような工夫をして上記条件を守りながらトレードをしているかも最後の方でご紹介したいと思います。

中期トレンドに順張り

Xbitでは現在のビットコインの状況を中長期上昇トレンドだと判断しています。つまりその方向に従ったエントリーしかしない、つまりロングポジションしか取らないという事です。

例を出します。BTC/USDTの30分足チャートです。

赤矢印のポイント、つまり昨夜ですが、この時点まで個人的には更に下落する可能性の方が高いなと考えていました。そして現時点でのチャートを見てもそう感じています。そう感じたなら本来はショートすべきなのですが、中期トレンドが上昇である以上、

・その下落がどこで急反発してしまうのか?
・またどれだけの値幅が取れるのか?
・大きな流れに逆らってまでそのトレードをやるメリットはあるのか?

そういった状況を考慮すると『何もしない』という判断になります。

①世間が静まっている

こちらはBTC/USDTの日足チャートです。緑丸のあたりは2019年冬頃なのですが、その当時はビットコインや他仮想通貨の話しをする人など殆どいませんでした。私自身その当時はエストニアでの仮想通貨取引所立ち上げで動き回っていたのですが、周りからは『どうして今更仮想通貨??』という感じで不思議がられてさえいたほどです。

しかしこの時期にも仮想通貨・ブロックチェーン関連のテクノロジーやインフラ、また投資はすごいスピード、ボリュームで進んでいました。10年単位で考えると仮想通貨が再び注目されるのはどこかの時点では間違いなかった事なのですが、そういった水面下の進歩と価格に乖離が出るのは他のマーケットでもよくある事です。

トレーディング視点から見ても、緑丸のあたりが最高の買い場だった事は明確です。

この事をもっと短い時間軸で考察してみると、ここ数日間はまさに『世間が静か』な時期ですね。年初からの上昇機運を一旦冷まされてしまった状態になっています。そういう意味では今は買い場を探るべき時期ですね。

移動平均線等に価格が近接している

これは移動平均線でなくても、例えば一目均衡表の転換線、基準線でもいいのですが、要するに上昇トレンドならそのスピードが平均的なものに落ち着いた状態の事を指しています。

再びBTC/USDTの日足チャートです。

昨年末までの明らかな下落トレンドだった時には、「黄色の一目均衡表転換線に近接しているポイントは明らかなショートチャンス(赤矢印)」、「年初からの上昇では緑矢印」がそれにあたりますが、こちらは逆に明らかなロングのタイミングだとご理解いただけると思います。Xbitでは実際にそのタイミングでショート、ロングのポジションを取っています。

今現在のビットコイン価格も転換線に近接している状態ではいるのですが、ここでロングポジションを取るには近接している転換線から上に離れる兆候を見せてくれないといけません。

執筆時点ではその兆候を確認できていませんので、Xbitでは未だポジションを持っていない状態です。

上昇か下落か、明らかなパターンを示している

マーケットの状態を確認する時は、「長期チャート」から確認します。私の場合はまず年足対数チャート、その後月足対数チャート、週足対数チャートで超長期のトレンドを把握します。こういった長期のチャートで一番注目するのは移動平均線ですね。

その次に日足チャート、特に一目均衡表を見て超長期トレンドとの乖離を観察します。日足チャートの一目均衡表は最も重要視している指標です。

超長期トレンドと日足チャートの状態が乖離していない状態、つまり超長期が上昇で中期も上昇トレンドであれば、積極的にトレードに参加する事になります。この二つが逆行している場合、つまり去年7月から年末までですが、この場合はトレードをするにしてもそれほど積極的ではありません。

次にマーケットから離脱する場合の条件についてお話しします。

②世間が騒いでいる

仮想通貨を取り巻くメディアやSNSは、価格に対する反応がはっきりしていて、また極端です。

一番顕著な例は2017年12月末なのですが、その当時は何処に行っても、誰に会ってもビットコインの話しばかりでした。今でもよく覚えていますが、当時24歳だった姪から電話がかかってきて『ビットコインを買う方法を教えて!』と聞かれた時には、その直後に全てのビットコインを処分しました。「普段、ビットコインを知らない姪までビットコインを買ってしまったら、今後更に高いところで買う人なんていないだろ??」という理屈です。2017年12月17日の事です。姪よ、ありがとう。

この例の時間軸を短くしたのは今月1月19日の昼頃ですね。ビットコインが100万円に到達し、午前中までは非常に楽観的かつ強気な論調が大半でした。その後の経過は皆さんよくご存じの通りです。

移動平均線等から価格が大きく離れている

トレード参入の条件でお話しした事と逆になります。直近の具体例をBTC/USDT日足チャートで見ていきましょう。

1月19日の実体価格の最高値は一目均衡表の雲からも、転換線からも、基準線からも大きく上方乖離しています(黄色矢印)。加えて基準線と転換線も今年最大の乖離を示しています(緑矢印)。

上昇トレンドにおいても下落トレンドにおいても、その価格変動はスピード調整を繰り返しながら進んでいくものです。そのスピード調整、適正なスピードを示すものが移動平均線であったり、一目均衡表という事になります。またこのような乖離を示している時には、必ずと言っていいほど世間が騒がしくなっています(前述)。

こういった局面では、ポジションを手放すのが得策だという事は簡単にご理解いただけるのではと思います。

以上トレード参入の条件、離脱の条件を説明してきましたが、実際のところこれらを守れる人は滅多にいません。別の言い方をすると、これら条件を待つ事のできるトレーダーには殆ど会った事がありません。

トレーディングにおいて『待つ』というのは一番重要であり、かつ難問中の難問ですね。

前述のように私自身はトレーディングに全く向いていない性格なので、勿論『待つ』という事は苦手中の苦手です。ではそれらをどう工夫して解決しているか?最後にその事をお話ししたいと思います。

1) 自身のトレード判断を定量化し、システムに置き換えている(私の場合はXbit)
2) 他の趣味を持つ
3) PC(トレード画面)から離れる
4) スタッフなど他の人間に注文を入れてもらうようなシステムにしておく
5) 常にトレードする少額の別アカウントを持っておく
6) 待つと想定した期間は旅にでる

こんなところですかね?他にも何か良い方法がありましたら、是非、NEXTMONEYさんまでご連絡くださいませ。(nextmoney.jp

風林火山。
「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」(疾(はや)きこと風の如く、徐(しず)かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如し)

これはトレーディングにおいても至言ですね。過去のトレード記事はこちらからご覧ください!

トレーダープロフィール

Takaya Fujikawa

Xbit Automated Trading System : https://xbit.ai/
Stats of Xbit AI Trader : https://xbit.ai/stats/
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