仮想通貨XRP発行のリップル社、米政府文書に初となる記載
仮想通貨XRPと発行元であるリップル社が、米政府文書に初めて記載された。金融セクターの消費者保護を行う独立機関「消費者金融保護局(CFPB)」は、送金事業者向けのセーフハーバーを増やすことを提案した。
セーフハーバーとは直訳すると「安全港」という意味を持っており、その規則に遵守する限り企業は法令違反に問われない。政府機関の承認を都度得る必要もないため、セーフハーバーが増えることは柔軟かつ効率的な企業活動の向上にも繋がる。CFPBが提案したのは、年間の送金処理件数が500件以下の事業者に対するセーフハーバーだ。
CFPBによれば、グローバルな送金市場は最先端技術の導入で実質的な変化に直面しているとのこと。この文書の中で、XRPと発行元であるリップル社が業界に破壊的なイノベーションをもたらす存在として言及されている。
「リップル社は継続的な成長と仮想通貨企業との提携を拡大しています。リップル社はグローバルな送金プラットフォームを手がけているだけでなく、独自通貨であるXRPも発行しています。XRPはこれらのプラットフォームなどで決済通貨としても利用可能です。」
加えて、CFPBはリップル社の製品を導入することで、送金前に銀行が受取人に正確な金額を知らせることができると述べている。一方で、CFPBは既存の決済システムがすぐにリップル社が提供しているような製品に置き換わる可能性は低いとも見解を示した。いずれにせよ、リップル社とXRP、仮想通貨業界全体にとって政府文書に記載されたことは重要な一歩となっただろう。
XRP価格には影響なし
今回の政府文書掲載を受けても、XRPには目立った反応はない。コインチェックのデータを見ると、執筆時点での取引価格は約23.8円となっており、前日からそれほど変化していない。また、仮想通貨の巨額送金を知らせるツイッターアカウントWhale Alert(@whale_alert)は、昨日約2億2,000万XRPの送金を通知した。これは日本円換算で約54億円に相当する。加えて、送金されたウォレットはBitstampだ。
取引量がそれほど多くないBitstampは、大口投資家のマーケットメイクによく使われており、XRPの巨額送金後には暴落が発生する傾向もある。現在は買いと売りの圧力が拮抗しており、下落トレンドから上昇トレンドへ転換するのか微妙なタイミングだ。巨額送金の事実を踏まえても、ポジションを保有している場合はロスカットを入れるなどリスク管理を徹底することを勧める。