RippleがSECによる従業員の「テラバイト」のSlack通信を提供要求に反論

RippleがSECによるSlack通信の提供を拒否

Rippleは、SEC(米国証券取引委員会)による、XRPの販売証券違反の疑いに関する継続的な調査の一環として、「テラバイト」のSlack通信を提供するという要求は非常に負担が大きく、行き過ぎているとして拒否したことが分かった。

SECは、Ripple従業員の内部コミュニケーションへのさらなるアクセスを求める事を目的に、8月9日(月曜日)に申し立てを行い、ニューヨーク南部地区のサラ・ネットバーン(Sarah Netburn)判事に対し、100万件を超える頻繁な従業員のやりとりが行われたSlack通信を提供するように求めていた。SECがSlack通信の提供を求めた背景には、SECによる略式判決と裁判のための完全で正確な記録を作成する必要があるという趣旨の解釈に基づいており、これらの文書が裁判で同社従業員の記憶を更新するのに役立つと主張している。

しかし、Rippleの法務チームは、ネットバーン判事に手紙を書き、要求されたすべてのSlackデータを収集して確認することは、非常に負担が大きく、非常に不均衡であると主張し、この要求を拒否。また、Rippleのファイリングによると、「13人の従業員から最大100万件のSlackメッセージの収集を求めると、データ収集と処理だけで100万ドル(約1億1,000万円)近くかかる可能性があり、ホスティング、レビュー、作成の追加コストは言うまでもなく、Ripple側は次のように主張している。

データ開示はRippleがこの訴訟での電子情報開示コストにこれまで費やしてきた以上のものです。

Ripple側の弁護士は、ブロックチェーン会社の電子情報開示ベンダーは、通信を収集するのに約12~15週間かかるとし、SECの要求を許可すると、現在のスケジュール順序が変更されることを主張している。さらに、SECはRippleの文書の欠落を従業員のSlackメッセージが確実に補完する理由を十分に説明していないため、要求は「重要でも一意に関連性もない」と主張している。実際、Rippleの法務チームは、Slackメッセージの情報は一般の人々には関係がなく、機密性の高いビジネス関連データを含んでいるため、公開することで会社に悪影響を与える可能性があると考えている。

なお、Rippleはニューヨーク南部地区連邦裁判所に対して、Slackで最も多くコミュニケーションをとっていた9人の管理担当によるメッセージを調査し、追加で提出するという妥協案をすでに提案している。