モンテネグロ裁判所がド・クォン氏の引き渡しは米国ではなく韓国と判決

モンテネグロ裁判所はド・クォン氏の引き渡しは韓国へと判決

2024年8月1日(木)、モンテネグロ控訴裁判所は、Terraform Labs(テラフォームラボ)の共同設立者であるド・クォン(Do Kwon)氏を韓国へ引き渡すべきとの判決を、米国からの競合する要求にもかかわらず支持した。

同氏がモンテネグロで逮捕された後、韓国と米国の両国は身柄引き渡しを要請していたが、最近、同裁判所は、同氏を韓国に引き渡す判決を決定した。アルゴリズムステーブルコインのテラUSD(TerraUSD/UST)とその姉妹トークンであるルナ(Luna/LUNA)の没落は、投資家に400億ドル(約5.8兆円)を超える損失をもたらしており、母国韓国から逃亡した同氏に対する法的措置を促したとのこと。

この判決は2023年12月の初判決に続くもので、同氏は両国への身柄引き渡しの法的前提条件を満たしているとしたが、控訴院は、どちらの国が優先されるかを決定する上で重要な引き渡し請求の順序を、一審が適切に確立していなかったと判断した。また、同氏が韓国への身柄引き渡しに同意したにもかかわらず、裁判所はすべての法的根拠が網羅されていることを確認するため、正式な判決を下すことにしたとのこと。

控訴院によると、最終的な判決は、要請書の提出が早かったことが決め手となり、韓国に有利なものとなったとしており、同氏はモンテネグロに留まり、法的手続きを続けている。

SECによる告発と一致

クォン氏のトラブルは2023年3月、モンテネグロのポドゴリツァ空港で逮捕されたことから始まっており、ビジネスパートナーのチャン・ジュン(Chang Joon)氏とともに、偽造パスポートを使ってドバイ行きの便に搭乗しようとしていた。

SEC(米国証券取引委員会)も2023年3月、同氏とTerraform Labsを詐欺罪で起訴し、USTステーブルコインの安定性と韓国のモバイル決済アプリケーションとの統合について虚偽の説明をしたとしている。

米国では同氏に対する法的措置が続いており、2024年4月、ニューヨークの陪審は同氏と彼の会社であるTerraform Labsの民事詐欺責任を認めており、この評決は、彼らが投資家を欺き、推定400億ドルの損失をもたらしたというSECの告発と一致。Terraform LabsとSECの間では45億ドル(約6567.3億円)の和解合意がなされたにもかかわらず、米国はクォン氏の身柄引き渡しを求め続けたとのことだ。