RippleのRLUSD、フィアットと仮想通貨の橋渡しとして拡大する国際利用網
リップル(Ripple)が発行する米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」が、決済プロバイダーAlchemy Pay(アルケミーペイ)との提携により、173カ国で利用可能になった。
Alchemy Payは、ビザ(Visa)やマスターカード(Mastercard)、Apple Pay、Google Payなど300以上の支払いチャネルを提供する、世界的なフィアット(法定通貨)・仮想通貨決済ゲートウェイだ。今回の提携により、Alchemy Payのネットワークを通じて、173カ国以上のユーザーや機関がRLUSDを購入できるようになった。
300以上のローカル決済手段が統合されたことで、クレジットカードや銀行振込などを利用したスムーズなオンランプ体験が可能となり、個人だけでなく法人ユーザーにとっても仮想通貨へのアクセスが容易になった。
ステーブルコイン市場におけるRippleの戦略展開
RLUSDは、米ドルに裏付けられたステーブルコインとして、リップルが発行と管理をしている。
今回のAlchemy Payとの連携によって、ユーザーが法定通貨ベースで簡単にRLUSDへアクセスできる環境が整い、利便性と普及が大きく前進。Rippleによると、RLUSDは2024年12月の導入以来、時価総額が約2億5,000万ドル(約363.7億円)に達しており、短期間で複数のユースケースに活用されている。具体的には、即時決済、流動性提供、DeFi(分散型金融)との統合、トークン化資産の担保、さらにはNGOによる寄付の効率化といった用途が広がっている。
また、RLUSDはニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の限定目的信託憲章の下で発行されており、厳格な規制基準を満たす形で構築されている。Rippleのブラッド・ガーリングハウス(Bradley Garlinghouse)CEO(最高経営責任者)は、今後の規制明確化が進む中で、信頼性のあるステーブルコインの需要がさらに高まると見ている。
Rippleは、RLUSDを通じてUSDTやUSDCといった主要ステーブルコインと競合しつつ、ブロックチェーンを活用した国際送金の効率化を進めていく構えだ。