元サークルOTC責任者、テザー価格操縦の疑惑を擁護
Circle社の元OTC取引担当者のDan Matuszewski氏が、テザーによる価格操縦を否定した。Castle IslandのOn The BrinkにてNic Carter氏との対談の際に明らかとなった。現在、CMSホールディングスの共同設立者として活躍するMatuszewski氏は、テザーによってビットコイン価格が大幅上昇したという指摘は「真実ではない」とCarter氏に述べた。
ブルームバーグを含めた一部のメディアでは、テザーがビットコインの価格を操作していると懸念する人々の意見を報じている。また、テキサス大学のジョン・M・グリフィン教授とアミン・シャム氏が共同で手がけた論文でも、テザーの価格操作が指摘されている。実際に、テザーの時価総額の上昇とビットコインの価格上昇には相関関係があることも、これらの主張の根拠の1つだ。いっぽうで、テザー側はこの主張を否定した。
「アービトラージでテザーが大量発行された」
Matuszewski氏によれば、テザーが価格を操作する必要もないほど、ビットコインはすでに上昇しているとのこと。また、ビットフィネックスよりコインベースの方が小口の投資家に人気があった点も指摘。これによって、コインベースにユーザーが押し寄せ、2つの取引所の価格に開きが生まれアービトラージの機会ができたとのこと。そのため、ビットフィネックス側でビットコインを購入したいユーザーが増え、テザーの需要が高まり大量発行に繋がったと見解を示した。
「こうしたアービトラージを行うために、数十億ドルが送られてきました。これが事実として起こったことは、間違いなく保証できます。なぜなら、私はそれを実行したからです。その場にいた張本人だからです。(中略)テザーは、単なる空想ではなかったのです。」
ステーブルコイン市場の変化
Matuszewski氏はテザーに関して多くの疑念が存在することにも触れ、現時点ではステーブルコインの市場にも変化が現れているとも指摘している。たとえば、Circle社はUSDCを発行している。テザーと違い規制当局に100%従い、その意向に反するようなことはしないだろうと考えているようだ。いっぽうで、テザーは規制当局に従わない可能性も十分にあり、「単純に当局にシステムを引き渡したり、KYCの厳格な基準を設けるようなこともしないだろう」と見解を示した。