CMEビットコイン先物が急落 =仮想通貨への懸念は?
CMEのビットコイン先物におけるNet OI(未決済のデリバティブ契約増減)が急落している。Skew Marketsが発表したデータによると、CMEビットコイン先物のネットショートポジションが、1,200を超えて減少した。これは、機関投資家の関心が低下していることを示している。CMEにおいてビットコイン先物市場は、全体的に弱気傾向にあることもわかる。
先月、7,500ドルまでビットコイン価格が下落した際には、Net OIも上昇していた。7,500ドルは、長期エリオットの調整着地点であり、1つの底値と考えられていたからだろう。このタイミングでは、Bakktの契約数も大幅に上昇している。いっぽうで、7,500ドルを下回ってからは、価格の動向が読めないせいか、Net OIが減少した可能性がある。
7,500ドルの壁を超えられるか
ビットコインは6,500ドル付近をマークしてから、1,000ドル幅のプルバックを見せ、執筆時点では7,500ドルをマークしている。いっぽうで、7,500ドルでレジスタンスに直面している。サポートとして機能していたラインは、それを下回るとレジスタンスになりやすい。このラインまでいったんプルバックしてから、再び6,500ドルを試しに下落する可能性も否めない。
RSIは間もなく中立の50まで回復しそうだが、日足の移動平均線は20日、50日、100日の3つすべてが下向きとなっている。200日移動平均線は上向きだが、過去にビットコインが60%以上暴落した50日と200日のデッドクロスが発生している。10月と同様に、3,000ドル近いプルバックが起こる可能性もなくはないが、この場合9,500ドル付近まで価格が上昇することになる。現在の下落の流れを考えると、あまり起こりえないシナリオに感じる。
取引高が伸びるBakkt
CMEに反して、Bakktは取引高が伸びている。Bakktの取引高は今月28日に4443BTCとなり、これまでの最高記録を更新した。Bakktはニューヨーク証券取引所などを運営するICEの子会社にあたる。ICEの金融業界でのステータスから、機関投資家を多く惹きつけるであろうと、当初は注目を集めていたが、サービス開始当初は取引高がほとんどなかった。
いっぽうで、先月ビットコインが7,500ドルをマークしたタイミングから急激に取引高が増加し始めた。Bakktは現金決済のCMEと異なり、期日に現物の受け渡しを行う決済方式を取っている。