偽造ボリュームから読み解く、ビットコイン先物取引の重要性|JPモルガン
仮想通貨市場においてビットコイン先物取引は市場で評価されているよりも非常に大きな影響が想定され、機関投資家が与える影響やそれに伴うビットコイン先物は重要であるようだ。
JPモルガンが公開した報告書によると、現在のビットコイン先物取引の重要性は仮想通貨の取引ボリュームの捏造によって軽視されており、「2017年末のビットコインの急騰以降、機関投資家の影響を受けて市場構造が大幅に変化した可能性が高い。」と投資アナリストであるNikolaos Panigirtzoglou氏は述べている。
BTCの報告ボリュームの捏造から考える「BTC先物」の重要性
ビットコインの取引ボリュームに関しては、報告されているボリュームと本体のボリュームが異なっているとした報告書が発表されている。
この取引量の裏付けについてBitwiseの調査によると今年3月、ビットコイン取引量の約95%が規制されていない取引所により操作されているということが明らかとなった。
同社は仮想通貨の時価総額や取引量のランキングサイト「Coin market cap」で取引量ボリューム上位81の仮想通貨取引所を3月の4日間にわたり分析し、1日の平均ビットコイン取引量が60億ドルとなっていたが、そのうち正当に取引されているものは2億7300万ドルだけであったという。
すなわち報告されていた取引ボリュームのうちの「5%」しか実際には取引されていないこととなる。
ビットコイン先物は仮想通貨市場に大きく影響する
報告された5月の総取引量7,250億ドルであるため、偽造されたボリュームを差し引いた後の5月の仮想通貨取引所でのビットコイン取引ボリュームは約360億ドルであると仮定した場合、この金額はビットコイン先物取引(CMEとCBOE)の推定総額120億ドルと比較した時、非常に重要になるという。
そして、ビットコイン先物取引(CMEとCBOE)の取引量は本来の取引ボリュームで計算した時の「約33%」を占めていると主張しているようだ。
そのためJPモルガンのアナリストは「偽造れた報告のボリュームのため、ビットコイン先物取引の重要性は軽視されている。そのため4、5月のビットコイン先物取引の増加は重要な要素である。」と考えているようだ。