スイス、余剰エネルギーの利用におけるビットコインの影響を調査する法案を可決

スイス州議会は余剰エネルギー利用におけるビットコインの影響調査法案を可決

スイスのベルン州議会が、ビットコイン(Bitcoin/BTC)マイニングに関する報告書の提出を求める法案を可決したことが明らかになった。

同州の行政機関である政府評議会は、すでに報告書とビットコインのマイニングに反対の立場を表明しているが、支持者はこれを勝利と呼んでいる。この報告書は、23人のメンバーからなる多党派のビットコイン議会グループによって提案され、85対46で可決。報告書では、州内の余剰エネルギーの調達先、スイスのビットコインマイナーとの協力の可能性、ビットコインマイニングが電力網に安定性をもたらす可能性などが検討されるという。

また、地元紙によると、同グループは、ビットコインを統合する可能性のあるモデルとして、米テキサス州に注目。同州はビットコインのマイニングを州のエネルギー政策に組み込むモデルとして注目しており、ビットコインのマイニングを奨励することで、州はマイニング企業や雇用を地域に誘致し、再生可能エネルギーを促進し、送電網を安定させることができる、と同グループは推論した。

論点がずれていたにもかかわらず提案は多数を占める

この報告書は、議会グループが進めてきたいくつかの取り組みのひとつとして、3月に提出されたとのこと。

日本語訳:
85対46の明確な判決により、ベルン・カントン議会は、ビットコインマイニングがエネルギーグリッドを安定させる可能性と、そうでなければ無駄になるエネルギーの使用に関する報告書を要求しました。
この提案は、simonryser(緑の自由党)、KorabRashiti1、MathiasMuelle16(ともにスイス国民党)、フィリップ・コーリ(中道党)、そして私が共同提案者です。
Dennis_Porter_とjulian_linigerの教育への取り組みに感謝します!

しかし、政府審議会はこの提案に反対するよう勧告しておりサミュエル・クルマン(Samuel Kullmann)カントン州議会議員は次のように述べている。

議論は古典的なFUDの議論に大きく影響され、論点がずれていたにもかかわらず、最終的にこの提案は明確な多数を占めた。この結果は、ビットコインに関する物語が変わりつつあることを表している。

同議員によると、ベルン州はエネルギーを輸出しているため、同州のエネルギー使用は国際的な問題であり、地元の問題ではないという。さらに、他のタイプのデータセンターによるエネルギー消費は増加しており、エネルギー貯蔵技術も発展。ビットコインのマイニングは市場の動向に左右され、ビットコインは法定通貨ではないため、スイス国立銀行の管理下にはないとのこと。

スイスの仮想通貨推進姿勢を称賛するリップルCEO

一方で、Satoshi Action Fundの共同設立者でありSatoshi Action Education(サトシ・アクション・エデュケーション)の創設者でもあるデニス・ポーター(Dennis Porter)氏も、報告書の提案書の作成に参加している。

ポーター氏は、10月にアメリカのペンシルベニア州で可決された、ビットコインの権利法案の起草にも尽力。さらに、リップル(Ripple)社のブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)CEO(最高経営責任者)は、スイスの仮想通貨推進姿勢をたびたび称賛している。

なお、親クリプト都市として有名なスイスのルガーノ市では、毎年プランBフォーラムが開催され、ツーク市にはイーサリアム財団や数多くのブロックチェーン企業があることで知られている。