米国が中東、ロシア、中国の間のつながりを警戒
ローレンス・サマーズ(Lawrence Summers)元財務長官は、中国、ロシア、中東など、多くの国が協調し、世界的な影響力を獲得していることに懸念を表明しており、「米国にとって大きな挑戦だと思う」と警告している事が分かった。
ローレンス・サマーズ元財務長官は金曜日、ブルームバーグテレビジョンで、ますます多くの国が団結し、米国に対して世界的な影響力を獲得していることについて懸念を表明。同氏は現在、ハーバード大学のチャールズ W. エリオット大学で教授の職に就いているが、国家経済評議会の理事や米国財務長官、世界銀行のチーフエコノミストを務めてきた人物である。
同氏は、ますます多くの国が米国の反対側で同盟を結んでいると説明し、次のように詳しく述べている。
断片化が受け入れられるようになってきており、おそらく、さらに厄介なことに、私たちの断片は関連付けるのに最適な断片ではないかもしれないという感覚が高まっていると思います。
中国によるサウジとイランの外交関係は米国にとって大きな挑戦
最近、ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領が中国を訪問し、中国の習近平国家主席と会談。
同大統領は5月15日(土曜日)、ブラジルと中国の関係は「コモディティ輸出の段階を超えている」と指摘している。また、ブラジル大統領は開発途上国に対し、世界の準備通貨としての米ドルを放棄するよう促している。さらに、中国は中東の2つの大きな産油国であるイランとサウジアラビア間の交渉を仲介した後、両国は関係を修復。両社が関係を断絶してから7年後に大使館を再開することに合意している。中東と中国の関係が深まっていることについて、サマーズ氏は次のように語っている。
中東で何か起こっていると思います…。中国が仲介したサウジとイランの外交関係は、米国にとって大きな挑戦であると私が考えるものの象徴です。
サウジアラビアとロシアを含むOPEC+(石油輸出国機構)のメンバーは、原油の減産に合意。OPEC+は、23の石油輸出国のグループであり、定期的に会議を開き、世界市場で販売する原油の量を決定している。サマーズ氏は、米国政府はこの新たな課題に対処しなければならないと指摘したうえで、次のように警告している。
ブレトンウッズ体制(※第二次大戦後に米国を中心に作られた、為替相場安定メカニズム)が世界中で力強く機能していない場合、深刻な課題と提案された代替案が生じるだろう。