エルサルバドルに2022年にビットコイン債発行計画
エルサルバドルのナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領は、ラテンアメリカを拠点とするビットコイン会議であるLabitconfのクロージングイベントで、2022年にビットコイン債を発行する計画を立てていることを明らかにした。
ブケレ大統領は、エルサルバドルが仮想通貨を合法化した最初の国になることをビデオメッセージで発表したのと同様に、2022年に10億ドル(約1,140億円)の規模のビットコイン債を発行することで、世界初のビットコインシティを建設すると述べた。債券の発行はビットコインサービスに焦点を当てた企業Blockstreamによって管理され、トークン化された債券は、フェデレーションサイドチェーンであるLiquidブロックチェーンの上で発行される。BlockstreamのCSOであるサムソン・モウ(Samson Mow)氏の声明によると、トークン化された債券は世界中の多くのユーザーが利用できるほか、最低で100ドル(約11,400円)の小額投資が可能であり、Liquidネットワーク上に展開されたツールを使用して、配当金が支払われる仕組みとのこと。
ビットコインシティ構想の概要
ビットコインシティは、NEXTMONEYの特集記事「IMFはエルサルバドルのビットコインを法定通貨に採用した事に懸念を表明」で報じているように、コンチャグア火山の近くに建設される予定であり、地熱エネルギーを利用してビットコインのマイニングと市の電力を供給する予定を2021年6月にツイッターで報告 している。
I’ve just instructed the president of @LaGeoSV (our state-owned geothermal electric company), to put up a plan to offer facilities for #Bitcoin mining with very cheap, 100% clean, 100% renewable, 0 emissions energy from our volcanos 🌋
This is going to evolve fast! 🇸🇻 pic.twitter.com/1316DV4YwT
— Nayib Bukele 🇸🇻 (@nayibbukele) June 9, 2021
また、ブケレ大統領はビットコインシティのデザインを垣間見せており、ビットコインのシンボルが付いた中央広場を特徴とする円形モデルとなるようだ。さらに、ビットコインシティで徴収される税は付加価値税のみであり、その半分は地方債の支払いに使用され、残りは地方自治体のインフラストラクチャーと保守に使用される。なお、財産税、所得税、地方税はなく、都市の二酸化炭素排出量はゼロになると述べた。ブケレ大統領によると、ビットコインシティは外国投資を呼び込むことを念頭に置いており、住宅地、モール、レストラン、港の他、デジタル教育、テクノロジー、持続可能な公共交通機関にも力を入れていくとのことだ。
実際、政府はすでに、テカパ火山の横にある別の地熱発電所で、パイロットビットコインマイニングベンチャー施設を運営している。ビットコインはもともと政府が管理する金融システムとは無関係に運用されるものであるため、エルサルバドルへの外国投資を呼び込み、海外に住むサルバドル人が家族に送金する手段として役に立つと考えられている。一方で、ビットコイン批評家の中には、仮想通貨の透明性の欠如が国への犯罪活動の増加を引き付ける可能性や、仮想通貨の価値の急激な変動がそれを保持する人々にリスクをもたらす可能性があると警告している。