投資家の64%が、仮想通貨は安全ではないと考えている
英国に拠点を構えている不動産プロバイダーButterfield Mortgages(以下:BML)のリサーチで、64%の投資家が仮想通貨は安全ではないと考えていることが判明した。このリサーチではもっとも人気のない投資として、アートと外国為替が19%、仮想通貨が17%、クラシックカーが16%となっている。加えて、2018年に仮想通貨に投資をした人の多くが、2020年の仮想通貨への投資額を減らす意向を示したこともわかっている。
株式や不動産など伝統的な資産が人気を集める
BMLのリサーチでもっとも人気があったのは、株式だ。株式の保有率は53%となっており、次いで不動産が41%、債権が30%となっている。新興資産である仮想通貨に対して、伝統的な金融資産の方が好まれている傾向がある。レポートによれば、この背景にはブレグジット問題があると指摘されており、政治的な不確実性が高い状態で、投資家は意思決定を保留している状態であると述べられている。この点に関して、BMLのCEOであるAlpa Bhakta氏のコメントは、以下のようになる。
「政治的不確実性のある時代において、投資家は歴史的にも信頼性が高く、価値を保持できるような伝統的な資産クラスを好んでいます。2020年は投資家の多くが、ブレグジットがあるにも関わらず不動産へ投資を増やそうと計画しています。つまり、不動産の需要が圧倒的に強いことを示しているのです。」
Bhakta氏はリサーチからわかった投資家の傾向として、投資対象が社会的にどのような影響をもたらすかや、セキュリティも考慮に入れていると指摘している。また、この点は2020年以降の投資のトレンドになる可能性が高いと述べた。
2020年の金融市場はどうなるのか?
米中貿易摩擦によって、世界的なリスクオフが発生すると見込まれていた2019年。今月26日、トランプ大統領はホワイトハウスにて米中間の第1段階の合意は近いと記者団にコメントした。FRBの久しぶりの利下げによって本格的な通貨冷戦に突入するかと思われたが、米経済は好調で一時104円ほどで取引されていたドル価格は、執筆時点で109円まで値を戻している。
いっぽう、世界経済の稀に見る大不況を懸念する声は多い。米国債の短期金利と長期金利が逆転する逆イールドが発生したからだ。過去50年の歴史を振り返っても、逆イールドが発生したあとは一時的に株価が大幅に上昇するが、その後一気に暴落し、大不況へと突入している。ビットコインは金(ゴールド)と同様に逃避資産と言われている。仮に大不況に突入した場合、価格にどのような影響が出るのか注視したい。