ガーナ中央銀行総裁、「独自デジタル通貨の発行」計画を示唆
西アフリカに位置するガーナが、デジタル通貨の発行を計画しているようだ。ガーナの中央銀行にあたるガーナ銀行総裁のアーネスト・アディソン氏は、火曜日に行われた利害関係者との年次会議において「セディ(ガーナの法定通貨)」のデジタル通貨を発行する、試験的なプロジェクトを検討していることを明らかにした。
アディソン氏は、この試験的な取り組みは、モバイルマネーなど、ガーナ国内における電子決済システムの成長強化を狙ったものだと述べた。ガーナ国内では2017年に約10億円のモバイルマネーが取引されたが、2018年には約14億円の取引が行われており、増加傾向にある。
「デジタル時代は、金融サービスの業界において消費者とビジネスの新たなニーズを満たすために、金融セクターの方向性を大きく変える可能性を持っています。」
アフリカにおける仮想通貨の需要増加
アフリカでは銀行口座を持っていない人が多い。いっぽうで、スマートフォンの普及率は非常に高い。電子決済が普及しやすい環境が整えられており、同時に仮想通貨も普及する可能性が高い。
P2Pの取引ウラットフォームであるPaxfulは、ナイジェリア、ガーナ、ケニアなどにおける需要増加によって、ウォレット数が80万を突破したことを報告している。PaxfulのCEOであるArtur Schaback氏は、アフリカはPaxfulにとって大きな市場と位置付けていることを踏まえて、これらの国のユーザーは「従来の金融サービスによって、制限を受けている」とコメントした。
アフリカに注力するDASH
アフリカに注力しているプロジェクトの1つに、仮想通貨DASHが挙げられる。DASHはジンバブエの現地企業であるKuva Cashと提携している。ジンバブエではハイパーインフレーションが起こっており、自国の法定通貨が機能していない状態だ。Kuva Cashとの提携によって、ジンバブエ国内でのDASH決済普及を目指している。
DASHはその他にも、「DASH Text」と呼ばれるSMSの送金サービスもスタートしている。SMSを利用できる端末であれば、インターネット接続不要でDASHを送金することが可能だ。こうしたサービスは、主にアフリカなどの発展途上国において、ネットインフラが整っていない地域での需要が見込める。DASH Textは、同じく自国通貨ボリビアのハイパーインフレーションに苦しむ、ベネズエラですでにサービスが提供されている。