トルコ大統領、独自仮想通貨を表明=2020年までに発行予定

トルコ大統領、独自仮想通貨を表明=2020年までに発行予定

2019年11月4日、トルコ共和国のRecep Tayyip Erdogan(レセプ・タイイップ・エルドアン)大統領が、中央銀行による独自デジタル通貨(CBDC)の発行に向けて、2020年までにテストを終了するように指示したことが公開文書にて判明した。

政府はデジタルリラを使用した即時決済を行うためのプラットフォームの開発を計画。イスタンブールを魅力的な国際金融センターにするために投資家に様々な金融商品を提供したい政府は、CBDCがそのサポートになればと考えている。イスタンブールは経済都市で、国税の2/5を支えている。さらに国内唯一の証券取引所・イスタンブール証券所があり、銀行や大企業が集中する金融の首都でもある。

CBDCとは

2020年の年次大統領プログラムによって明らかになったCBDCは、ブロックチェーンベースのデジタルリラになる。CBDCはトルコの中央銀行と、トルコ科学技術研究会議(会議と付くが団体名)TÜBİTAKによって開発が行われる。2020年までには、即時決済システムの設計・ソフトウェアの開発・テスト作業を完了させる予定だ。

今年7月9日に政府が公開したロードマップには「中央銀行によるデジタル通貨の発行」が記載されている。後の9月にも、行政サービスに分散型台帳技術(DLT)を取り入れる計画「Strateji2023」を発表している。

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2019.10.31

米国の経済制裁がカギ

今回発表された文書では、国際送金システムSWIFTのトランザクションコストよりも低いとされるロシアの送金システム(SPFS)が評価されているため、計画の参考にされる可能性もある。

ここでなぜSWIFTが出てきたのかと言えば、やはり米国を意識しているのだろう。トルコもやはり米国から経済制裁を受ける国だ。SWIFTから除外されると商売に支障をきたすため、米国は従わない国に対して「SWIFTから外すぞ」と脅しのカードに使うことがある。

ブロックチェーン技術を基盤にしたデジタル通貨に対して、自国通貨米ドルの立場が危うくなることから米国は徹底的に避けている。だからこそ中国・ロシア・トルコのような国々は米ドル支配の経済を嫌い、独自デジタル通貨や決済方法を研究開発する。「SWIFTが使えないのだから、自分たちのシステムを作って何が悪い」という当然の結果だ。米国の敷いた規制など及ばなくなる。

今月19~20日にトルコで行われる「Capital Market Summit」にはバイナンスCEOのCZ氏も参加するため、注目が集まりそうだ。

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2018.09.07
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