テザー(USDT)問題によって、USDCなどのステーブルコインが急成長|全体規模は以前としてTetherの独壇場
昨今、ステーブルコイン「USDT」を発行するTether(テザー)社が問題となっているが、それ以外のステーブルコインが急激に成長しているようだ。
ブロックチェーン分析企業であるCoinMetricsの「ステーブルコインの報告書」によると、ステーブルコイン「USDC」「PAX」「DAI」の3通貨は、最低10ドルを保有するアドレスの数が大幅に増加していることが明らかになった。
上記の図では、過去3カ月におけるステーブルコインの裏付けとなる資金が、最低でも10ドル以上保有しているプロジェクトを対象に分析を行ったところ、テザー社のUSDTおよび、TrueUSD(TUSD)は平均的なパフォーマンスを記録、取引所Gemini(ジェミニ)が発行するGUSDは、下落している。
この分析についてCoinMetricsは、ステーブルコインの裏付け資金の重要性を次のように説明している。
「これは安定したコインにとって重要な考慮事項です。価格は理想的には安定した状態を維持する必要があるためです。GUSD、およびTetherはすべて、過去3か月で比較的不安定な期間を経験しましたが、PAXおよびDAI、USDCはより安定していました。」
やはりテザーは強い
さらに調査内容には、10ドル以上保有しているアドレス数の、総数をまとめたレポートも公表されており、3ヶ月間のアドレス数で伸び悩んでいたテザーのUSDTは、世界の主要なステーブルコインとして君臨している。また、PAX、DAI、およびUSDCはテザーより急激な成長しているが、アドレスの総数に関しては、USDTとUSDT-ETH(USDT-OmniとUSDT-ERC20)に比べ、桁違いのアドレス数が存在している。
CoinMetricsが先月発表した内容によると、発行されているテザー(USDT-OmniとUSDT-ERC20)のうち約80%は、わずか318アカウントが保有していることが明らかになった。
さらに昨年10月には、ステーブルコインの毎日の総取引量の98%が、テザーのUSDTによって支配されており、ビットコインの毎日の総取引量の60%の割合を占めていることが、仮想資産のベンチャー企業「Blockchain」が発表した研究報告によって明らかになっている。