米SEC、3つのビットコインETFを承認延期
2019年8月12日、米国証券取引委員会(SEC)は、VanEck・Bitwise・Wilshire Phoenixの新しいビットコインETFの承認を延期した。審査を行っているSECは延期の理由を説明していない。それぞれの承認可否判断の最終期限ぎりぎりまで決定を先延ばしにすると思われる。
ビットコインで運用するビットコインETFは、ウィンクルボス兄弟が初めてSECに申請したことでも話題になったが、未だ上場が認められていない。シカゴ・オプション取引所の申請もメディアで大きく取り上げられたので、記憶にある方も多いだろう。もしSECで上場が承認されると、ビットコインの現物価格や先物価格に連動する。
それぞれの経緯
最も注目されているVanEckとSolidXのETFは「SolidX Bitcoin Shares」と呼ばれ、シカゴ・オプション取引所の子会社Cboe BZX Exchangeに上場を予定している。シカゴ・オプション取引所は1月に提案を申請。2月20日に連邦官報(政府機関の告示などが掲載される)に公開。5月21日まで判断期限を延期したが、されに90日遅らせて、8月19日まで延期していた。VanEckの最終審査期限は10月18日になる。
Bitwise Asset ManagementとNYSE Arcaが提出した「Bitwise Bitcoin ETF Trust」は、2月15日に連邦官報に公開。45日間の審議の後である3月29日に、こちらも90日後の5月まで延期が発表され、予想通り8月の期限でも延期が発表される形となった。Bitwiseは10月13日が最終審査期限だ。
Wilshire PhoenixとNYSE ArcaによるETFの提案は5月21日に修正案が提出され、7月1日に連邦官報で公開。こちらは9月29日が次の期限となっている。
本当に承認されるのか?
SECから見れば、仮想通貨市場は未成熟であり、価格操作・出来高操作・詐欺行為が依然として行われ、ハッキング被害による投資家の保護対策も万全ではない状態だ。また、高すぎるボラティリティも投資家に大きな損失をもたらすとして懸念されている。
もしこれらがある程度改善され、ETF承認が現実になれば、仮想通貨市場が大きく活気づく。今後の動きに期待したいが、年内は無理だと予想するアナリストと、年末には承認されると予想するアナリストに意見も2分されている状態だ。しかし、10月の最終期限に認められなければ、ビットコインの価格が暴落する恐れもある。