マスターカードが小売業者と提携したトレーサビリティシステム構築

マスターカードが小売業者と提携したトレーサビリティシステム構築

クレジットカードの国際ブランドMastercard(マスターカード)は、小売業者のフレッド・シーガル・サンセットと協力して8/2〜8/14の期間限定のファッションプランドRodarte(ロダルテ)とアーティストのMari Eastman(マリ・イーストマン)がコラボした限定コレクションの流通をブロックチェーントレーサビリティを活用させることで可視化させた。

今後マスターカードは、衣料品ラインにおいてブロックチェーンベースの技術を活用しながら、ビジョンに共感するアーティストを集めていく事を発表しており、ブランドの偽造問題に対して有効的な一手としてプロジェクトを進行している。

2018年のグローバルブランド偽造レポートによると、オンラインでの偽造による損失は、業界に3,230億ドルの損失をもたらしました。その中でも高級ブランドは特に影響を受けやすく、303億ドルの偽造販売が確認されています。

マスターカードは、商品の出所からストアに並ぶまでの記録を明確に残す事で消費者への信頼を高め、真正性を堂々と謳えるブランドに昇華していく事が狙いです。

マスターカードのデジタルパートナーシップ担当エグゼクティブバイスプレジデントであるシェリー・ヘイモンドは、次のように述べています。

「革新的な技術ソリューションを活用して、消費者が購入している製品のストーリーを伝えることができます。」

製品のタグにはQRコードが付いており、店頭若しくは、オンラインショップで購入した消費者は簡単に製品の流通を確認できるのです。

今後、ハイブランド品に関してはより多くのブランドメーカーがブロックチェーンによるトレーサビリティシステムの導入を始める事が予測される。

ルイ・ヴィトンのオーナーが自社製品追跡のためブロックチェーンプラットフォームを立ち上げ

2019.03.28

マスターカードはリブラ協会への参加や、ウォレットの開発などを現段階で進めており、着々とブロックチェーン業界への進出を進めていることがうかがえる。

これまでは生産国の表示だけであったが、ファッション業界だけでなく、食品やあらゆる業界において「ストーリー性」のある商品、生産者の想いや情熱を感じる事ができるサービスが求められてくるのではないか。トレーサビリティを活用したサービスが一般に普及されば、昨今の価格競争から脱し、新しい市場を創出する事が可能になり、ブロックチェーンのまた新たな可能性を広げる事に繋がる。

今後の同社の取り組みにより一層注目していきたいところだ。

ABOUTこの記事をかいた人

外資系の医療機器、エネルギー関係の企業で5年間営業として従事した後、今後は個人にスポットが当たる時代だと考え、ブロックチェーンの持つトークンエコノミクスの世界観に感銘を受け、少しでも情報源として役に立てるよう日々発信しています。 現在は 実際にコードを書いたり、 イベントに足を運ぶなど精力的に 活動を行ない情報を発信しています。