米内国歳入庁が送付した手紙が、仮想通貨の非納税者を追い詰める

米内国歳入庁が送付した手紙が、仮想通貨の非納税者を追い詰める

2019年7月26日、アメリカ合衆国内国歳入庁(IRS)から「あなたの仮想通貨取引が正しく報告されていない可能性があるという情報がある」といった内容の手紙が届いたというツイートが画像付きで上がった。
IRSは日本の国税庁に当たる機関で、連邦税の執行や徴収を行う。そのIRSが、仮想通貨を保有していると思われる、あるいは仮想通貨取引によって発生した利益に対する税金を納めていないと思われる1万人以上に警告を含む手紙を発送すると発表

米国内国歳入庁、1万人の仮想通貨保有者に警告文を送付

2019.07.29

手紙は8月末までに送られ、その内容には「6173」「6174」「6174-A」の3パターンあるという。ツイッターに上がった手紙は「6174」だ。
手紙を発送した件について、IRSコミッショナーChuck Rettig(チャック・レッティグ)氏は以下のように語っている。

「納税者は、納税申告書を見直し、適切な場合は過去の申告を修正し、税金、利息、罰金を返済することで、これらの書簡を真剣に受け止めるべきです」

情報はどこからもたらされた?

1万人以上もの手紙の受取人に関する情報だが、情報サイトガーデアンの記事によると「IRSは詳細を明らかにしていないものの、米国取引所Coinbaseから受取った顧客情報をもとにしている」とのこと。顧客名簿にリストアップされたのは、2013年から2015年に2万ドル以上に相当する仮想通貨を購入・売却・送金(入金や出金)した13,000人だ。

手紙の受取人はどうする?

手紙を受け取った人々は、重大な決断を迫られている。本来ならば納税する必要があれば、申告を行い、少額でも税金を納めないとならない。ところが多くの人々は「黙っていればバレないだろう」と考え、申告も納税も怠っていた。手紙を受け取った人々が選択できる道は2つ。過去の申告を修正して追加で税金を納めるか、このまま知らん顔を決め込むか、どちらかしかない。

警告を無視するとどうなる?

手紙を受け取ったにも関わらず、仮想通貨取引で得た利益を適切に報告をしなかった納税者は、ペナルティ(罰金)や利息に相当する延滞税が課せられる。さらに悪質だと判断されれば、刑事訴追の対象になる可能性もあるという。

「実行時に刑事犯罪者になるのは良い時期ではありません。あなたの日数は数えられています」

捜査のメスが入るカウントダウンにも受け取れるコメントを出したのは、IRSの犯罪捜査責任者Don Fort(ドン・フォート)氏だ。この言葉もまた税金滞納者を追い詰めている。