「仮想通貨関連法案」が衆議院を通過|「仮想通貨」から「暗号資産」へ
日本国内の仮想通貨交換業者(仮想通貨取引所)に対する規制強化など、仮想通貨に関する内容である金融商品取引法と資金決済法の改正案が21日、第198回国会の衆議院本会議を通過し、参院に送付されたことが報じられた。
今回、衆議院本会議を通過した金融商品取引法および資金決済法の改正案は、3月15日に閣議決定されたものであり、今国会で成立する見込みであるようだ。
3月15日に閣議決定された金融商品取引法および資金決済法の改正案の詳細では、これまで日本国内のユーザーや投資家で使用されて来た「仮想通貨」という名称から、「暗号資産」という名称に変更し、さらには仮想通貨交換業者も「暗号資産交換業者」に名称に変更になるという。
しかし、名称変更については、法律上に関する際に使用される名称であり、暗号資産に関するサービスを提供するものや、仮想通貨取引所も名称を「暗号資産」に変更する必要はない。
改正案の変更点
今回、金融商品取引法および資金決済法の改正案は、以下の重要な変更点である。
仮想通貨交換業者について
- 顧客が保有する仮想通貨をコールドウォレットで管理。
- ネット上で管理している顧客の仮想通貨を「弁済原資の確保」を義務付ける。
- 交換業者が倒産した際に、預かっていた顧客の仮想通貨を優先的に返還する規定整理。
- 証拠金取引について、外国為替証拠金取引(FX)と同様の規制対象とする。
- 仮想通貨交換業者が新たな仮想通貨を取扱う際に、事前の詳細の提出を義務付け。
- 風説の流布や、価格操作などの不正操作・取引の禁止
ICO(イニシャル・コイン・オファリング)について
- トークンの発行を金融商品取引法の明確な規制対象にする。
- 投資家に向けた情報開示制度やトークン(仮想通貨)の仲介業者に対する販売規制を整備。
その他について
- 仮想通貨の名称を「暗号資産」に変更。
- 投機を助長する広告や勧誘の禁止。
このように今回の改正案では、「仮想通貨」から「暗号資産」へと名称が変更となるが、仮想通貨に携わる交換業者やサービス提供者には大きな影響はなさそうである。
しかし、「証拠金取引について外国為替証拠金取引(FX)と同様の規制対象とする」という変更点や、「投機を助長する広告や勧誘の禁止」など、仮想通貨市場の健全化へと大きく動き出しそうである。
またICOについても改正案が出されているが、日本国内でのICOの実施は難しい状況になることが予想され、日本初の仮想通貨がもし誕生するならば、健全化されたトークンが誕生することが考えられる。