クレイグ・ライトはサトシ・ナカモトではないと英国裁判所が判断
英国の裁判官は、クレイグ・ライト(Craig Wright)氏は確かにサトシ・ナカモトでもビットコインのホワイトペーパーの著者でもないという判決を下したことがCoinDeskの報道で明らかになった。
COPA(Crypto Open Patent Alliance)によって提訴され、現在最終弁論の同訴訟の目的は、初期のビットコイン(Bitcoin/BTC)開発者であり、偽名のビットコイン作成者であると主張するライト氏がサトシ・ナカモトではないことを証明することであったという。
先月、ビットコインのPoW(プルーフ・オブ・ワーク)コンセンサスシステムのパイオニアであるアダム・バック(Adam Back)氏と、ビットコイン初期の貢献者であるマルッティ・マルミ(Martti Malmi)氏を含む、ビットコインの創造における2人の重要人物が証言台に立った。The Blockの以前の報道によれば、両者ともライト氏の証言の主張に異議を唱えており、両者ともライト氏はナカモトではないと主張。英国のジェームズ・メラー(James Mellor)判事は、証拠は決定的であると述べたうえで、次のように語っている。
私は、当事者間の正義を行うために必要であり、有益であると確信する、ある宣言を行う。第一に、ライト氏はビットコインホワイトペーパーの著者ではない。第二に、ライト氏は、2008年から2011年にかけてサトシ・ナカモトというペンネームを採用した人物でもなければ、そのペンネームで活動していた人物でもない。第三に、ライト氏はビットコインシステムを作った人物ではない。そして第四に、彼はビットコインソフトウェアの初期バージョンの作者ではない。
一方で否定的な意見も
2021年以来、ライト氏は自身の主張をめぐって、ジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏が支援するCOPAおよびビットコイン・コアの開発者グループと法廷闘争を繰り広げてきた。
COPAは2021年4月に初めて訴訟を起こし、ライト氏がビットコインのホワイトペーパーとデータベースに対して著作権を主張するのを阻止することを目的としていた。裁判が始まる前の1月、ライト氏は裁判とかさむ訴訟費用を避けるため、COPAとの知的財産権裁判の和解を申し出たが、COPAはこの提案をツイッターで公開的に却下している。