仮想通貨取引所コインベース、「USDC」の取引可能地域を拡大|世界85ヵ国へと展開
仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)は、同取引所における「USDコイン(以下、USDC)」の取引可能地域を85ヵ国に拡大するようだ。同社の公式Mediumで5月14日に発表した。
USDCは仮想通貨決済関連企業CircleとCoinbaseの協力により開発された米ドルペッグのステーブルコインだ。米ドルと1:1でペッグされており、「1ドル = 1USDC」で取引される。
ステーブルコインは、送金についてその利便性が法定通貨よりも高いことが注目されており、USDCと競合するステーブルコインとして引き合いに出されるものにTether(テザー/USDT、以下USDT)がある。
USDTについては、その裏付け資産等について様々な疑念が存在することが話題となる場面が多い。このような背景もあってか、USDCは世界的会計事務所Grant Thornton International Ltdの監査の下でUSDC総額とCircle社が保有している米ドルの総額を記した報告書を公開している。
USDTの”疑惑”が完全に払拭されていない現状を考えれば、USDCは透明性という部分で少し秀でているかもしれない。
今回発表された内容によると、Coinbaseは、同取引所におけるUSDCの取引可能地域を85ヵ国に拡大することが、インフレに悩む国の人々の生活を向上させることを期待しているようだ。
アルゼンチンやウズベキスタンといった消費者物価の上昇が予測されている地域の新規顧客にとって、USDCがインフレ保護の役割を果たす可能性があるといった見解も示している。
Coin DanceというWebサイトの分析によれば、アルゼンチンはビットコイン取引高が増加している国の一つだ。仮想通貨の取引が活発化している国々への事業展開及び新規顧客の獲得を早い段階から進めていくことは、Coinbaseにとっても大きな利点となる。
USDCは米国ユーザーを対象として2018年10月に同社取引プラットフォームに追加された。追加されてまだ日が浅いが、同取引所で初となるステーブルコインとして注目が集まり、人々の関心が向けられている最中にある。
また、今年4月にはXRPとUSDCを活用した手数料無料の国際送金サービスを開始したことも話題となった。仮想通貨交換業のみならずフィンテック分野での活動も活発な様子を見せている。
今後の動向にも注目が集まりそうだ。