ブラジルで2024年に海外仮想通貨保有に課税する法案が可決される

ブラジルで2024年に海外仮想通貨保有課税法案が可決

ブラジルは、海外の仮想通貨に15%課税する新法を2024年から導入し、デジタル市場の金融規制を拡大していく事が分かった。

ブラジルのルーラ・ダシルバ(正式名 Luiz Inácio Lula da Silva:ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ)大統領は、ブラジル国民が海外で保有する仮想通貨やその他の投資に税金を課す先駆的な法律を認可。2024年1月1日(月曜日)に発効するこの法律は、急成長するデジタル通貨市場に対する国のアプローチの大幅な変化を示唆している。

ブラジルは海外仮想通貨に15%の税金を設定

法律では、海外で保有する仮想通貨から得た利益には最大15%の税金が課せられると規定している。

ただし、今年(2023年)納税を開始する納税者にはインセンティブが提供され、これらの個人は、2023年までに発生したすべての所得に対して8%の軽減税率を受ける資格があり、2023年12月から分割で支払われるとのこと。なお、2024年以降の税率は15%に増加する。さらに、この法律は、1,200ドル(約17万円)未満の海外収益についてはこの課税を免除するという基準が設けられている。法の適用範囲は仮想通貨を超えて拡大し、これには、投資ファンド、プラットフォーム、不動産、信託からの利益や配当も含まれるという。この広範な対象範囲は、ブラジル政府が課税政策により広い網を投じる意図を示している。

新仮想通貨規制は世界的な政策転換を反映

この法律の影響は広範囲におよび、個人の仮想通貨保有者だけでなく、単一株主の投資ファンドやブラジル金融市場で活動する外国企業にも影響を与える事が予想されている。

ブラジルのステーブルコイン発行会社であるTransfero(トランスフェロ)社の監査人ジョアン・カルロス・アルマダ(João Carlos Almada)氏は、この新法についてコメント。同氏は、株式資産に適用される税法と同様、特に損失の補てんにおいて改善の必要性を強調し、市場の透明性と信頼性向上を目的とした今後の議論に楽観的な姿勢を表明した。

2023年9月、ブラジル中央銀行(Banco Central do Brasil)のロベルト・カンポス・ネト(Roberto Campos Neto)総裁は、より規制されたデジタル資産市場に向けた世界的な動きを反映して、仮想通貨規制を強化する意向を発表している。なお、ブラジル政府は、この法案により2024年に最大40億ドル(約5688.6億円)の新たな税金を徴収する予定である。