フィデリティが「仮想通貨と機関投資家」に関する調査結果を公開
米国の機関投資家と仮想通貨に関して、米金融大手のフィデリティから調査結果が公表されている。
この調査は、同社とグリニッチ・アソシエイツが協力して行ったもので、2018年11月26日~2019年2月8日の期間中、機関投資家など441の機関を対象に、「仮想通貨の保有有無」や「投資対象としての仮想通貨の認識」などに関して調査が行われているようだ。
調査結果では、米機関投資家の約2割が既に仮想通貨を保有しており、それら投資行動は3年以内に行われたものであるといった内容が示されている。
2017年は仮想通貨が熱気に包まれていた年だ。また、2018年は仮想通貨低迷期とも呼ばれるほどに市場が冷え込んだ。こうした中、機関投資家が現在でも仮想通貨を保有しているという結果が示されていることは非常に興味深い。
また、回答者のうち約半数近くが仮想通貨を投資対象として見ている様子も報告されているが、その保有方法としてどのような選択をとりたいかといいう点については様々な意見があるようだ。その意見としては、「仮想通貨に関する投資商品の購入」や「仮想通貨を直接購入する」などが挙げられている。
既存の金融市場と照らし合わせて仮想通貨市場を考えたとき、仮想通貨市場が成熟したものとなるには、個人投資家や機関投資家、実需筋など様々な側面を持った参加者の存在は非常に重要となってくる。
最近、クオンツファンドが仮想通貨市場への参入意欲を見せている様子も度々報じられるようになったが、こうした機関投資家群が市場に存在するようになれば、個人投資家がそれに追随し、さらに市場に活気がもたらされる可能性も否めない。
逆を言えば、市場参加者が少ない状況の中では、流動性の低さから、「価格が安定しない」といった結果をもたらすことにもなりかねないだろう。
また、回答者のうち半数近くが仮想通貨に対して革新的がものであるという認識を持っている様子も報告されているが、仮想通貨の不安要素として「価格の不安定さ」や「規制が明確になっていない」などの点も指摘されているようだ。
仮想通貨は新しく、革新的である反面、”既存のものに追いつけていない”部分も多く残っている。
「人々の仮想通貨に対する認識」や「利用目的の明確さ」「法規制の不完全さ」などはやはり目につくところだろう。
こうした”既存の市場に存在するもの”が出そろうことで、ようやく仮想通貨市場に”活気”が生まれるのかもしれない。