ソフトバンクがWirecardの転換社債へ投資

ソフトバンクとWirecardがデジタル決済分野で協力も

ソフトバンクがオンライン決済サービスを提供するWirecardに投資することが明らかとなった。4月24日,Wirecardが自社の公式サイトで公表した。

※Wirecardは,1999年に設立されたオンライン決済サービスを提供する企業。ドイツ・ミュンヘンに本社を置く。

ソフトバンクはWirecardの転換社債に約9億ユーロを投資する。これに伴い,両社はデジタル決済分野において協力関係も築かれるようだ。

WirecardはPOS、eコマース、モバイル関連など、多岐に渡る販売チャネルでの決済をサポートし、アジア圏での事業拡大に積極的な姿勢を見せている。Visa、MasterCard等の世界有数のクレジットカードブランドとの関係性、多くの顧客企業、対応通貨の豊富さ等が強みとして考えられている。

Wirecardには、シンガポールで展開する事業について会計不正疑惑が浮上していた。この疑惑について、同社は不正を否定していたが、今年1月末に株価は急落。決済サービスを提供する企業としては、疑惑で生じた不信感を一早くぬぐいたいところだろう。今回、ソフトバンクが同社の転換社債へ投資することで、疑惑で生じてしまった不信感の回復へと向かう可能性も考えられる。

また、キャッシュレス化の流れが加速していく中、ソフトバンクとの協力関係から展開されるサービスも注目したい。フィンテックの革命的技術として注目を集めているブロックチェーン技術を活用した決済ソリューションは様々な企業で研究・開発が進められている。現在はまだブロックチェーン技術による決済が広く普及しているわけではないが、こうした大手通信事業者と決済サービス事業者の協力により、スマホ等のモバイル端末を活用した決済の選択肢が増えることも期待でき、今後、同社からブロックチェーンに技術を活用した決済ソリューションが提案される可能性も考えられる。

昨年、ソフトバンクが「ブロックチェーン技術を活用した決済」に対して積極的な姿勢を見せている様子も見受けられた。今後の動向も注目していきたい。

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2018.09.14