ビットコインSVへの風当たりが強まる-相次いで上場廃止の動き

ビットコインSVへの風当たりが強まる-相次いで上場廃止の動き

仮想通貨取引所Binance(バイナンス)がビットコインSVの上場廃止を決定した15日以降、それに追随する動きが広まっている。

仮想通貨取引所Kraken(クラーケン)の公式Twitterでは、「同取引所でビットコインSVを上場廃止するべきか」というアンケートが実施されている。

※Kraken(クラーケン)は米サンフランシスコに拠点を置く仮想通貨取引所。日本国内では、同社の子会社であるPayward Japan株式会社のもと運営が行われていたが、2018年6月以降は日本でのサービス提供を停止している。

アンケートでは、「すべきである、有毒だ」「すべきでない、価値を見出す必要がある」「すべきでない、すばらしい通貨だ」「どうでもいい」といった4択での回答を求めている。

アンケートの終了期間は、日本時間の4月17日の深夜1時頃となっているが、執筆時点で、回答数は6万を超えており、賛成(上場廃止すべき)が多数を占めているようだ。

仮想通貨取引所ShapeShift(シェイプシフト)のCEOを務めるエリック・ボアヒーズ(Erik Voorhees)氏は、自身のTwitterで「48時間以内にビットコインSVの上場廃止をする」という発言をした。

※ShapeShift(シェイプシフト)は、スイスに拠点を置く仮想通貨取引所。法定通貨を利用せず、取引はすべて仮想通貨で行われるなど、仮想通貨の両替に特化したサービスが特徴。

※ツイートされたのは日本時間4月15日10:27

仮想通貨ウォレットサービスを提供するBlockchain.comも公式サイトでビットコインSVもサポートを終了することを15日に公表した。

※Blockchain.comは仮想通貨オンラインウォレットを提供している。ブロック・エクスプローラとしても有名。

Blockchain.comは、2019年5月15日までに同社の提供するウォレットにおけるビットコインSVのサポートをすべて終了するとし、ビットコインSVを保有しているユーザーに対して、当該通貨の別のウォレットへの移行や別の通貨への交換を推奨している。

仮想通貨取引所Gemini(ジェイミ)のタイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)氏は、自身のTwitterで「最初からGeminiにはビットコインSVを上場しなかった。」という発言をしている。

※Gemini(ジェミニ)は米国に拠点を置く仮想通貨取引所。米ドルと連動するステーブルコイン「ジェミニドル(Gemini dollar/GUSD)」を発行している。

※タイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)氏は、同取引所を運営するウィンクルボス(Winklevoss)兄弟として有名。

“集権的” な決定に批判の声も多く

仮想通貨取引所BinanceがビットコインSVの上場廃止を決定して以降、それに追随するかたちでビットコインSVに対する風当たりが強まっているが、この動きに懐疑的・批判的な市場参加者もTwitter上で見え始めている。

確かに、いくら「非中央集権的な通貨」であったとしても、それを取り扱う市場が集権的であれば、意味がないのではないかという疑念も湧いてくる。

今回の騒動は、「ビットコインSVの技術的な問題点」が事の発端となっているわけではなく、開発者同士の個人的な感情が事の発端となっている感も否めない。

CoinGeek (コインギーク)創業者であり、ビットコインSVを支持していることでも有名なカルビン・アイアー(Calvin Ayre)氏は自身のTwitterで、「とても幼稚で腐敗している。」と今回の騒動を批判している。