アブダビ投資評議会、第3四半期にビットコインETF保有高を3倍の5億ドルに増加

アブダビ投資評議会のビットコインETF保有高が3倍に増加

アブダビ投資評議会は、第3四半期にブラックロック・ビットコインETFの保有額を3倍に増やした。

アブダビの政府系ファンドは、ビットコイン(Bitcoin/BTC)へのエクスポージャーを3倍に増やした。規制当局への提出書類によると、ADIC(Abu Dhabi Investment Council:アブダビ投資評議会)は第3四半期にブラックロックのIBIT(iShares Bitcoin Trust)への投資を大幅に増やした。この動きは、ビットコイン価格が不安定な時期にもかかわらず、UAE(アラブ首長国連邦)全体で機関投資家によるデジタル資産への需要が依然として強いことを示す強いシグナルと解釈されている。

アブダビ投資評議会はビットコインをデジタル形式の金と見なしているが、IBITはビットコインが主要な原価水準を下回ったことで、多額の資金流出に直面。同時に、アナリストは、米国政府閉鎖の解除により、2026年には新規仮想通貨ETF(上場投資信託)の承認が急増すると予想。既存のETFは多額の資金流出と価格下落に直面しているが、一部のアナリストは、新たな規制サイクルがビットコインセクターへの機関投資家の新たな参加とイノベーションにつながると考えている。

アブダビのビットコイン・ポートフォリオの内訳

大手メディアブルームバーグのデータによると、アブダビ評議会は前四半期の240万株から保有株数を増やし、2025年11月20日9月末時点での保有額は推定5億1,800万ドル(約814億円)だった。

一方で、親会社である投資会社Mubadala(ムバダラ)も、同時期にIBIT株870万株を保有。その価値は5億6,700万ドル(約891億円)に上った。こうした着実な積み増しにより、アブダビはETF分野で最も活発な機関投資家の一つとなった。

しかし、11月初旬にビットコインが重要なサポート水準を下回ったことで、市場心理が急激に変化した結果、スポット・ビットコインETFは今月、約31億ドルの流出を記録。IBITだけでも、1回の取引で5億2,300万ドル(約822億円)以上が流出。この反転は、10月初旬のビットコインの記録的な高騰時にETFに投資した短期トレーダーの間で警戒感が高まっていることを示唆している。

こうした下落にもかかわらず、業界関係者の多くは、ADICの積極的な買い増しを長期的な投資判断の明確な兆候と見ている。ADICはブルームバーグに対し、ビットコインをデジタルゴールド見なしていると語っている。これは、代替的な価値保存手段を求める機関投資家の間でますます支持されている考え方でもある。

今のところ、アナリストの間ではビットコインの短期的な動向について意見が分かれており、ボラティリティ(価格変動差)の持続を警告するアナリストもいれば、現在のレンジ相場が買い増しの絶好の機会だと主張するアナリストもいる。

 

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