2013年のビットコインフォーラムで仮想通貨愛好家のタイプミスによって生まれた”Buy and hodl”(購入して保持する)が今までは仮想通貨投資家達のマントラとなっていた。しかし昨今仮想通貨の価格下落や利益の減少に伴い仮想通貨保有者が減少するなど仮想通貨取引所にとって悪いニュースが続いている。
フィンテックに焦点をあてたベンチャー企業であるトライブキャピタル(Tribe Capital)の集めたデータによると、世界最大級の仮想通貨取引所の一つであるコインベース(Coinbase Inc.)も仮想通貨市場の弱気相場による影響を大きく受けているという。
トライブキャピタルは9月にコインベースを利用して仮想通貨売買を行った顧客数が、ビットコインの価値が最高値を記録した去年の12月に比べ約80%減少していると伝えた。またビットコインの価格も同時期と比べ約60%ほど下落。これについてコインベースの代表者はコメントする事を拒否したのだ。
調査会社であるDiar Ltd.によると、アメリカドルによる仮想通貨取引も2017年の四四半期に比べ2018年の三四半期は80%程減少しているという。
また技術系のウェブサイトRecodeは今月サンフランシスコに拠点を置くコインベースの価値が80億ドル(約8000億円)の時、同社は5億ドル(約500億円)を調達していると報じており、その資金調達ラウンドが終了すれば、コインベースの価値は去年の仮想通貨バブルの前の5倍になる可能性があるという。またニュースサイトのAxiosは仮想通貨の価格が暴落しなければコインベースの価値は大幅に上がるだろうと後に報じた。
現在多くの仮想通貨取引所では、不況に直面している仮想通貨市場に対する依存から距離を置こうとしている。
コインベース社ではその一環として、投資家達が大量の仮想通貨を保管する事が出来るようなツールを開発中だという。またリスクマネージメントや顧客が資金を借り信用取引を行うこと可能にするなどといった取引機能の強化に関しても力を入れている。
しかしこのような新しい試みは、多数の有識者から詳細情報を公開したくないという声が上がっていて実装が遅れている。これらの有識者達は、仮想通貨の弱気相場と積極的に取引を行っている小さな共同出資機関の両方が、仮想通貨市場における新たなビジネスモデルを難しいものにしていると主張している。