シンガポール金融管理局がアーミーコインを宣伝したBitgetを一時停止

アーミーコインを宣伝したBitgetを一時停止措置へ

シンガポールの仮想通貨規制当局は最近、アーミーコイン(One Army Coin/OAC)を宣伝したが法的な問題であるとして、仮想通貨取引所Bitgetを取引停止したことが明らかになった。

イタリアのサッカーチームであるユベントスFC(Juventus Football Club)を後援していることで知られているBitgetは、韓国のK-PopグループBTSが関わっているといううそのトークンを宣伝。10月の末日に、韓国大手芸能事務所HYBE(ハイブ)側が仮想通貨アーミーコインに関して、BTSとは無関係であるという公式発表を行っており、当NEXTMONEYの11月1日付特集記事「K-POPバンドBTSの管理機関がアーミーコインとの関係を全面否定」でも報じている。

Bitgetは、BTSファンを意味する「アーミー」をコインの名称に用いることで、ファンの通貨購入を促した悪質性の高い取引所として批難を浴びている。これに対して、大手芸能事務所HYBEの責任者は次のようにコメントした。

私たちは現在、会社に相談することなく、アーティストの肖像権の侵害を含む法的違反を検討しており、侵害および違反に対してすべての法的措置を講じます。


シンガポールで広く利用されていたBitget

BTSは、国際フォノグラフィック産業連盟から2020年のグローバルレコーディングアーティストに選ばれ、年間ランキングでトップとなったグループとして知られる。

シンガポールの規制当局は取引所の停止に続き、Bitgetが宣伝していたアーミーコインの広告を削除することを求めている。Bitget側は、MAS(Monetary Authority of Singapore=シンガポール金融管理局)のロゴをサイトから削除したことを確認しているが、プラットフォームはまだオーストラリア、カナダ、米国からのライセンスを持っていると主張している。同取引所は2018年から国内でサービスを提供しており、公式サイトの数値によると、世界中に約100万人のクライアントを持ち、仮想通貨プラットフォームは、トークンの購入と販売について、シンガポール市民に広く利用されていた。その証拠に、プラットフォームは11月30日の時点で、11,626人のトレーダーが、24時間の取引量40億ドル(約4,539億円)を処理していると報告されている。

一方で、MASは2021年11月、仮想通貨を扱う企業に強力な規制を導入すると発表しており、今後の動向に注目が集まっており、マネージングディレクターであるラヴィ・メノン(Ravi Menon)氏は次のように語っている。

仮想通貨に規制を導入する反面、仮想通貨業界に参加しないことでシンガポールが世界的な金融から取り残されるリスクがあると思います。仮想通貨の世界に早く参入するということは、私たちが有利なスタートを切ることができ、その潜在的なメリットとリスクをよりよく理解できることを意味します。

K-POPバンドBTSの管理機関がアーミーコインとの関係を全面否定

2021.11.01