Ethereumは分散型アプリケーション(DApps)向けのプラットフォームです。そのネイティブトークンであるETHは現在時価総額でもBitcoinに次ぐ第2位に位置しています。そんなEthereumのプラットフォームには、世界に出回っているものでも既に1700以上のDAppsが存在しています。
本記事では、このように世界中で開発が進められているEthereumのDAppsについてその概要を紹介していきます。
dAppsについて
dAppsとは分散型アプリケーション(Decentralized Applications)の略で、分散型取引所(DEX)やウォレット、ゲームなどがいくつかの例として挙げられます。
基本的にすべてのアプリはオープンソースであること、コミュニティの意向をゲームに反映することができることなどがその大きな特徴です。
また、これらは従来のようにシステムがサーバーに依存しておらず、Ethereumのネットワークを維持している世界中の人々に依存しています。結果としてダウンタイムがない(サーバーの不具合等でゲームがプレイ不可能となることがない)ので、いつでも好きなタイミングで利用することができるのもDAppsを利用する上での大きなメリットの一つと言えるでしょう。
Ethereumを利用したdApps
Ethereumのネットワークでは、スマートコントラクトを実装することができます。これにより管理者を必要とせずコードと世界中のノードによって機能する分散型のアプリケーション(DApps)を構築することができます。
この仕組みを応用して様々なDAppsが構築されているのでそのユースケースを紹介します。
分散型取引所(DEX)
管理者を必要とせずEthereumのネットワーク上で動くダウンタイムのない取引所は分散型取引所と呼ばれます。
集権型の取引所と比べ、自身で秘密鍵を保有して取引を行うことができるため、セキュリティ面などで優れている一方、流動性などの問題が散見されます。
分散型アプリケーション
Ethereumのトークン規格ERC721を主に利用して世界に一つだけのキャラクターを作成することができるのもDAppsの特徴の一つです。CryptoKittiesなどが有名です。
dAppsの詳細はこちらの記事をご覧ください!
Ethereum dAppsの課題
Ethereumネットワーク上のDAppゲームの一つにCrypto Kittiesというゲームがあります。ユーザーはERC721規格のNFT(Non-Fungible Token)の特性を生かして、自身の子猫を、飼育・交配、また他のユーザーに販売などをしてゲームをプレイしていきます。
昨年12月、急激な知名度の向上とユーザー数の増加によりネットワークが混雑し、Ethereumの承認待ちトランザクション数が大幅に増加、ネットワーク自体に大きな影響を及ぼしたことはまだ皆さんの記憶にも新しいことであると思います。
今後Ethereum上で開発されていくDAppsの数が増加していくに伴い、Ethereumネットワークのスケーラビリティが課題となっていくことが予想されます。
TPSだけを見ても、他のDApps向けプラットフォーム(EOS等)に大きく劣る部分があるので、このあたりでEthereumがPlasmaやRaidenなどのソリューションをいかにうまく適用できるかどうかという点が焦点になりそうです。
また、技術面以外でもエンドユーザーの取り込みなども課題の一つとして挙げられます。
DAppsでは現状、ユーザーがEthereumの検証ノードなどに対して手数料を負担する必要があるため、従来のスマホゲームなど比較した場合ユーザビリティが格段に落ちてしまいます。これに関しても設計面での改善が必要かと思われます。
ETH dAppsについてのまとめ
EthereumのDAppsに関してを紹介しました。
今後バックエンド面、フロントエンド面での更なる開発が必要とされますが、近い将来現在私たちが何気なくプレイしているゲームや従来のシステムと遜色ないレベルに近づいていくでしょう。今後も目が離せませんね。
また、dAppsを構築するプラットフォームとして仮想通貨EOS(イオス)が注目されています。dAppsに関しては今後、イーサリアムとイオスの2強体制が続き、どちらが今後dAppsの分野で主流となっていくのか注目が集まりそうです。