a16zが仮想通貨部門を「Frontier」に改称、AIや先端技術へ投資領域を拡大

仮想通貨とブロックチェーンを象徴するコインやネットワークから、AI、ロボット工学、バイオテクノロジーへと広がる未来都市のイメージ

仮想通貨投資を継続しながら、AIや自律型機械など新興技術へ進出

米国ベンチャーキャピタルのa16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)が2026年10月22日(木曜日)、仮想通貨投資部門a16z Cryptoを「a16z Frontier」に改称し、AI(人工知能)、自律型機械、生物学、医学などへの投資を拡大すると発表した。

同部門を率いるクリス・ディクソン(Chris Dixon)氏は、今回の変更を事業の後退ではなく拡大と位置付け、今後も仮想通貨や関連事業への投資を継続し、賢明な仮想通貨規制を提唱していくと述べた。背景には、ブロックチェーンが既存の金融サービスに組み込まれ、仮想通貨企業と他のテクノロジー企業の境界が曖昧になっていることがある。同氏は、ウォール街の銀行やフィンテック企業がブロックチェーンを基盤とした製品を日常的に提供していると指摘。企業は使用する技術ではなく、事業内容によって定義する方が理にかなっているとの考えを示した。

新たな投資対象には、物理世界を認識し、推論し、行動できる自律型機械や、人間と機械をつなぐ新しいネットワークなどが含まれる。製品や市場が成熟するまでに数年かかるスタートアップも対象となる。

また、仮想通貨については、AIエージェント同士の支払いや機械間取引を可能にし、新たなネットワークに経済的機能を与える技術として引き続き注目している。

22億ドルの仮想通貨ファンド発表から5カ月、業界にも変化

a16zは2018年に最初の仮想通貨ファンドを設立して以来、5つのファンドで約100億ドル(約1.57兆円)を調達してきた。投資先にはコインベース(Coinbase)、ソラナ(Solana)、ユニスワップ(Uniswap)、予測市場のカルシ(Kalshi)などが含まれる。

今回の名称変更は、同社が5月に22億ドル(約3,457億円)規模の第5号ファンドを発表してから約5カ月後となる。当時、同社の広報担当者は、このファンドが仮想通貨起業家への投資に100%特化していると明言していた。この第5号ファンドは2022年に組成した45億ドル(約7,071.4億円)の第4号ファンドより規模が縮小している。一方、名称変更後のファンド規模や、既存ファンドの投資権限に変更が生じるかどうかは明らかにされていない。

投資対象の拡大は他社にも広がっている。Paradigm(パラダイム)はAIやロボット工学向けに12億ドル(約1,885.5億円)を調達し、Haun Ventures(ホーン・ベンチャーズ)も5月に10億ドル(約1,571億円)を調達して仮想通貨以外の金融系スタートアップへの投資を表明した。

DefiLlama(ディーファイラマ)のデータによると、仮想通貨スタートアップへのベンチャー投資額は2026年第1四半期に約50億ドル(約7,855.7億円)となり、前年の約60億ドル(約9,426.8億円)から減少した。

a16z Frontierはディクソン氏とa16z共同創設者のマーク・アンドリーセン(Marc Andreessen)氏、ベン・ホロウィッツ(Ben Horowitz)氏、共同経営者のエディ・ラザリン(Eddy Lazzarin)氏、ガイ・ウオレット(Guy Wuollet)氏が率いる。