ゾディア・カストディの親会社を完全買収、機関投資家向けサービスを強化
英国のスタンダードチャータード銀行(Standard Chartered PLC)は2026年10月21日(水曜日)、仮想通貨カストディ会社ゾディア・カストディ(Zodia Custody Limited)の買収に関する最終契約を締結した。
規制対象の保管業務を同行の既存事業に統合し、機関投資家向けデジタル資産サービスの拡充を図る。今回の契約により、同行の子会社スタンダードチャータードIHリミテッドは、ゾディア・カストディUKリミテッドの株式100%を取得する予定だ。同社はシンガポール、香港、オーストラリア、アラブ首長国連邦、ルクセンブルクにある規制対象事業体の親会社にあたる。
買収完了後、ゾディアの規制対象カストディ業務はスタンダードチャータード銀行の証券サービス部門に統合される。同行は既存のカストディプラットフォームと組み合わせることで、従来の証券とデジタル資産の保管サービスを一体的に提供し、業務効率の改善や機関投資家向けサービスの強化を目指す。
今回の取引は、5月にゾディアの株主と債券保有者が拘束力のない買収提案を受け入れたことを受けたものだ。当初は6月末までの最終合意と8月末までの買収完了を目指していたが、交渉は長期化し、10月に正式契約へと進展した。
ただし、買収には規制当局の承認と慣例的な取引完了条件を満たす必要があり、現時点では完了していない。買収金額は公表されておらず、同行は既存のカストディ顧客について、取引期間中も通常通りサービスを継続すると説明している。
ソフトウェア事業を分離、世界各地で仮想通貨サービスを拡大
今回の買収では、ゾディアのソフトウェアおよび専門サービス事業は対象から除外され、新会社ゾディア・ソリューションズに移管される。同社はスタンダードチャータード銀行のベンチャーキャピタル・イノベーション部門であるSCベンチャーズ傘下で独立運営される。
ゾディア・ソリューションズは、金融機関がデジタル資産の保管や関連サービスを構築・運営するための技術と専門サービスを提供する。CEOにはクレイグ・ペリン(Craig Perin)氏が就任し、スタンダードチャータード銀行も引き続き同社の顧客となる。
一方、スタンダードチャータード銀行は仮想通貨関連事業の国際展開を加速させている。既にアラブ首長国連邦、ルクセンブルク、香港で機関投資家向けのデジタル資産カストディサービスを提供しており、2026年末までにシンガポールでも同サービスを開始する計画だ。
同行は2025年にビットコイン(Bitcoin/BTC)などの現物取引に参入し、アラブ首長国連邦ではビットコインとイーサリアムの取引サービスも展開している。
同行の証券サービスおよびデジタル資産部門のグローバル責任者、イン・イン・タン(Ying Ying Tan)氏は、今回の買収によってデジタル資産カストディ事業をさらに強化する方針を示した。ゾディア・カストディのCEO、リチャード・クラーク(Richard Clark)氏も、同社の専門知識と同行の国際的な銀行基盤を組み合わせることで、規制に準拠した保管サービスへのアクセス拡大につながると説明している。
























