More Marketsにて930万ドルの貸付準備金が流出
セキュリティ企業Blockaidの調査結果により、Flow EVM上で展開されているDeFi(分散型金融)プロトコル「More Markets」にて、多額の暗号資産が不正に引き出される事案が判明した。
貸付用の準備金=レンディング・リザーブから奪われた資金の規模は、約930万ドル(日本円で約14.86億円相当)に達すると試算されている。
高効率モードとステーキングトークンを組み合わせた攻撃手法
Blockaidがブロックチェーン上の取引データ(オンチェーンデータ)を分析したところ、攻撃者はmFlowWFLOWリザーブをターゲットとし、約1,550万枚におよぶラップド・フロー(Wrapped Flow/WFLOW)を不正に搾取した。
手法としては、リキッド・ステーキング・トークンの一種である「ankrFLOW(Ankr Staked FLOW)」に加え、借入効率を高める仕様である「E-mode(効率モード)」が悪用された。このE-modeは、価格変動が連動しやすい資産ペアにおいて通常よりも高い限度額での買い入れを可能にする仕組みだが、今回はこの高効率な担保設定が裏目に出て、想定を上回る過剰な資産引き出しを許す結果となった。
本件についてMore Markets運営側は、公式な声明の発表や損害に対する補償策の言及を行っておらず、情報開示が待たれる状況だ。
相次ぐWeb3セキュリティ侵害とDeFiの構造的リスク
今回の被害を含め、8月中における暗号資産市場のハッキング被害総額は、DeFiLlama(ディファイラマ)のデータ集計で約1億3,970万ドル(約223億円)に拡大した。これは2026年に入ってから3番目の被害規模となる。
前日の2026年8月30日(日曜日)にも、Cronos(クロノス)チェーン上のTectonic(テクトニック)で推定7,500万ドル(約119.85億円)規模の流出が起きたばかりであり、Web3領域におけるセキュリティ上の課題が顕著となっている。
デリバティブやステーキングトークンを担保に組み込むDeFi運用は資本効率を高める一方で、設定や流動性の歪みを突かれた際のリスク管理という大きな脆弱性を改めて浮き彫りにした。























