MiCA未認可のバイナンス、EU域内でのサービス継続を巡り調査
ESMA(欧州証券市場監督機構)とフランス、ドイツ、ギリシャの規制当局が、バイナンス(Binance)によるEU(欧州連合)域内顧客へのサービス提供について調査を進めている。
焦点となっているのは、MiCA(暗号資産市場規制)第61条で認められる「逆勧誘」の免除規定を、バイナンスがどこまで適用できるのかという点だ。この逆勧誘は、EU域外の事業者に対して顧客自身が独自の判断でサービスを求めた場合、一定の条件下でサービス提供を認める仕組みだ。ただし、ESMAはこの例外を非常に狭く解釈するよう求めており、MiCAの要件を回避するための抜け道として利用すべきではないとしている。
顧客が勧誘を受けたかどうかは、契約上の記載だけではなく、実際の勧誘や接触の状況に基づいて判断される。そのため、契約書や免責条項で逆勧誘と位置付けていても、実態として事業者側から勧誘していた場合には免除の根拠にはならない。また、顧客が自ら求めたサービスについて逆勧誘が認められる場合でも、それを理由に別の商品やサービスまで無制限に提供できるわけではない。
バイナンスはMiCAの認可を取得できないまま、7月1日の期限を迎えた。同社はフランス、イタリア、リトアニア、ポーランド、スペイン、スウェーデンで登録していたが、これらの登録はMiCAへの移行に伴い失効した。
規制当局はこのサービス提供の法的根拠を調べており、一部当局はバイナンスに情報提供を求めている。
MiCA認可取得を継続、回答次第では罰金の可能性も
バイナンスは以前、ギリシャでMiCA認可を申請していたが、6月に申請を取り下げた。その後は別のEU加盟国で認可取得を目指す方針を示しており、現在もMiCA認可の取得に向けて取り組んでいるとしている。
同社は、事業を展開するすべての地域で適用される規制要件を遵守しており、関連する義務に照らして提供サービスを継続的に見直していると説明している。
MiCAの下では、認可を持たない事業者は7月1日以降、EU域内での事業を縮小し、既存顧客に対しては保有資産の移転や売却を支援する範囲にサービスを限定することが求められていた。
そのため今回の調査では、顧客側からの自発的なアクセスという例外が、どこまで認められるのかが改めて問われている。
規制当局がバイナンスの回答に満足しない場合や、逆勧誘の免除範囲を超えていると判断した場合には、罰金を含む執行措置に進む可能性がある。
ただし、現時点の調査は違反を立証したものではなく、具体的な措置についても決定されていない。バイナンス以外の小規模な事業者についても、同様の調査が進められているとされている。
























