市場環境と完了までの期間を考慮、将来的な協議再開の可能性も
Web3企業アニモカ・ブランズ(Animoca Brands)は、ナスダック上場のカレンク・グループ(Currenc Group)との間で進めていた逆合併に関する協議を、双方の合意により中断した。
両社は取引完了までに必要な期間や市場環境の変化、事業上の優先事項を検討した結果、現時点では合併を進めないと判断した。一方、アニモカは株式公開に向けた取り組みを継続し、別の方法を通じた主要証券取引所への上場も検討している。
2025年発表の逆合併を中断、企業の機動性を優先
逆合併計画は2025年11月3日に初めて発表され、カレンクがオーストラリアの会社更生手続きを通じてアニモカの全株式を取得する構造が検討されていた。計画では、合併後の新会社についてアニモカの既存株主が約95%、カレンクの既存投資家が約5%を保有する予定だった。
しかし両社は、取引完了までに必要となる時間が、現在の短期および中期的な戦略目標と合致しなくなったとして協議の中断を決定した。市場や事業環境が今後変化した場合には、協議を再開する可能性も残されている。
アニモカの共同創業者兼会長であるヤット・シウ(Yat Siu:蕭逸)氏は、カレンクとの取引を評価しつつも、現在は企業としての機動性を優先する必要があるとの考えを示した。同社はデジタル資産やAI(人工知能)分野の事業ポートフォリオを抱える一方、財務コンプライアンスやコーポレートガバナンスの整備も進めている。
アニモカは過去にオーストラリア証券取引所へ上場していたが、2020年に上場廃止となった。その後は非公開企業として事業を継続しており、今回の逆合併は株式市場への復帰手段の一つとして位置付けられていた。
監査とコンプライアンス整備を継続、別の上場手段も検討へ
逆合併協議の中断後も、アニモカは株式公開に向けた準備を続けている。同社は2026年7月17日に2023会計年度の監査済み財務諸表を公表しており、現在は2024会計年度の財務諸表を作成している。
同社はこれらの監査済み報告書の整備を、将来的な株式公開に必要な要件を満たすための重要な段階と位置付けている。シウ氏も、大手証券取引所が求める監査やコンプライアンス上の要件を満たしながら、株式公開に向けた最適な方法を引き続き模索する方針を示している。
アニモカは2020年の上場廃止後、財務報告や情報開示の改善にも取り組んできた。2022年には、2019年から2021年までの年次報告書などを提出しなかったとして、オーストラリア証券投資委員会から罰金を科されている。
今回の決定により、カレンクとの逆合併を通じた上場計画はいったん停止するものの、アニモカは監査やコンプライアンス体制の整備を進めながら、別の方法を含めて株式市場への復帰を目指していく。























