Revolutのハッカー、顧客データ暴露と1万ビットコインの身代金を要求

Revolutが深刻なサイバーセキュリティの脅威に直面

英国フィンテック大手およびデジタル銀行として知られるRevolut(レボリュート)は、先週後半に公的機関をかたる巧妙な偽装工作に屈し、一部利用者のプライバシーデータを不正に開示してしまった事実を明らかにした。

日本語訳:
速報: Revolut を標的とした情報要求メールを送っていた攻撃者が、テニス選手のシェフチェンコやGamdom/SkinscomのCEOであるレーマーといった著名人の顧客データを含む機密データを公開しました。彼らはRevolutに身代金の支払い…

その後、この事件を起こした攻撃グループがさらなる実力行使に出たことが判明し、国際的な金融・仮想通貨市場に大きな衝撃を与えている。

Revolut、偽政府要請を見抜けず顧客データを漏えい―パスポートや仮想通貨履歴の流出で広範な影響の恐れ

2026.09.14

事の発端は、2026年9月12日(土曜日)に表面化した外部からの巧妙なソーシャルエンジニアリング攻撃だった。

悪意ある第三者が、本物の政府系ドメインおよび正当な技術認証が施された電子メールアドレスを用いて、情報開示を求める偽の要請を同社へ送信。Revolutの従業員がこれを通常の法的手続きに基づく正当な照会であると誤認してしまったことで、顧客情報の流出を許す結果となった。

今回のセキュリティインシデントによって流出したとされるデータは多岐にわたり、個人の氏名や生年月日、居住住所、連絡先情報のほか、パスポートなどの本人確認書類、自撮り写真、口座明細、さらには一部ユーザーのビットコイン取引履歴や国際銀行口座番号(IBAN)などが含まれていると報じられている。

著名なブロックチェーン分析家であるZachXBT氏の指摘によると、今回の攻撃で被害を受けた対象は比較的限定的であり、主に資産を多く保有する富裕層の利用者に集中している可能性が指摘されている。

1万ビットコインという巨額の身代金要求と脅迫

事件を起こしたハッカー集団はRevolut Smilik(レボリュート スミリック)と自称しており、複数のTelegram(テレグラム)チャンネルを拠点として活動を活発化させている。彼らは週末にかけて、著名な顧客の非公開データを一部露出させることで同社を脅迫し始めた。

9月14日(月曜日)、攻撃者グループはRevolutに対して金銭の支払いを強く迫り、要求に応じない場合は毎日段階的にさらに多くの顧客データをインターネット上に大々的に暴露していくと警告。仮想通貨メディアなどの報道によると、この脅迫で提示された身代金の額は1万ビットコイン(Bitcoin/BTC)にのぼる。これは当時の市場価格(1BTC=7万7,974ドル前後)に基づけば、日本円にして約1,000億円超に相当する空前の巨額要求だ。

さらに、Telegram(テレグラム)上に流出したスクリーンショットのやり取りなどでは、オンライン・カジノGamdom(ガムドム)のフェリックス・レーマー(Felix Römer)CEO(最高経営責任者)の個人情報などもすでに提示され、同社の経営破綻を煽るようなメッセージが発信されている。

企業側の対応と今後のセキュリティ・事業リスク

一連の事態を受け、Revolutの広報部門は、問題の偽メールアドレスを即座に検出してブラックリスト登録およびブロック措置を講じたと説明。また、自社のシステム基盤そのものや利用者の預金資産への直接的な不正アクセス・影響は発生していないと強調した。

同社はすでに、関連する国の法執行機関、金融規制当局、およびデータ保護機関に対して速やかにインシデントの報告を行っており、影響を受けた利用客に対しては個別直接の通知を実施した。なお、現時点で身代金の要求に対する公式なコメントや支払いの有無については言及を避けている。

しかし、今回の事件は単なるデータ漏えいにとどまらない深刻な波紋を呼んでいる。暗号資産を扱うプラットフォームにおいて流出した詳細な個人情報や取引履歴は、悪意ある第三者によって巧妙な標的型フィッシング詐欺やアカウント乗っ取りへと二次利用される危険性が極めて高いと懸念されている。過去の類似事例では、外部流出したオーダーデータや顧客情報を悪用した偽サイト等でウォレットのリカバリーフレーズが盗み出されたケースも報告されている。

加えて、今回の不祥事はRevolutにとって極めて不都合な時期に発生した。現在、同社は将来的なIPO(新規株式公開)の実現に向けて動いており、その際の市場評価額として直近の非公開市場評価額750億ドル(約11.6兆円)をはるかに上回る2,000億ドル(約31兆円)規模での上場を模索していた。

急成長を遂げるフィンテックユニコーンとしての信頼性やガバナンス体制が問われるなか、今回の巨大な情報漏洩と脅迫事件が今後の企業価値評価や上場計画にどのような影を落とすのか、業界全体の注目が集まっている。