CoinEx、9年の歴史に幕:市場低迷と規制強化で閉鎖へ(12月までに出金要請)

CoinExがプラットフォームの完全な業務終了へ

暗号資産取引所CoinEx(コインイーエックス)は、9年間にわたる運営の歴史に幕を下ろし、取引所の閉鎖を正式に発表した。

日本語訳:
CoinExコミュニティの皆様へ、本日、CoinExが運営を停止し、秩序ある清算を開始することをお知らせいたします。まず、最も重要なこと:皆様の資産は安全です。CoinExの準備金比率は…

同プラットフォームは、長期化する暗号資産市場の低迷や流動性の低下に加え、国内外における規制対応・コンプライアンスコストの増大が経営を圧迫したことを閉鎖の主な要因として挙げている。世界200以上の国と地域で数百万人のユーザーにサービスを提供してきた同社だが、今後は段階的なサービス停止を経て、完全に業務を終了する運びとなった。

閉鎖に至った背景と経営陣の決断

ハイポ・ヤン(Haipo Yang)創設者兼CEO(最高経営責任者)は、市場の激しい変動を乗り越えてきたものの、同社がかつて目指していたような業界をリードする大規模取引所には成長できなかったと率直に認めている。

運営を継続する上でセキュリティやコンプライアンスに関するリスク管理の負担が極めて重くなり、「限られた収益のために無制限のリスクを負い続けることはもはや合理的ではない」との判断に至った。

他の企業へのプラットフォーム売却の可能性も水面下で検討されたが、ユーザーや社会に対して誠実な“潔い幕引き”を選択。買い手に依存せず、自らの手で秩序ある閉鎖を行うことで、顧客が資産を完全に出金できるようにすること、および従業員が尊厳を持って退職できるようにすることを最優先の使命とした。

段階的なサービス停止と厳格なスケジュール

CoinExの閉鎖にあたっては、ユーザーに混乱を与えないよう、以下のように綿密なスケジュールに沿って各機能が順次停止される。

9月15日
新規ユーザー登録および紹介報酬の付与が停止。先物取引はポジションの縮小のみが可能な「リデュース・オンリー」モードへ移行。
9月22日
証拠金取引、暗号資産ローン、ステーキング、各種運用サービス(Earn)、先物取引が完全終了。さらに、暗号資産CETの入金を除くすべてのオンチェーン入金アドレスが無効化。
9月29日
すべての現物取引ペアの取り扱いが終了し、中核となる売買業務が停止。これに伴い、CoinEx Smart Chain(CSC)および分散型取引所(DEX)のOneSwapも運営を終了。

なお、中央集権型取引所(CEX)の業務終了後も、独自トークン「CET」については1トークンあたり0.005 USDTでの買い戻しが実施される予定だ。

日本語訳:
ViaBTCプール公式声明: CoinExの事業戦略調整とViaBTCプール サービスの継続的な安定性に関する説明ViaBTCユーザーおよびコミュニティ パートナーの皆様、 CoinExの戦略的閉鎖と事業縮小に関する最新の発表を受けて…

また、独立して運営されているCoinEx WalletやCoinEx Vault、ビットコインマイニングプールViaBTCへの影響はなく、これらは引き続き継続されるとのことだ。

出金期限と未請求資産に関する重要な注意点

ユーザーにとって最も重要な期限となるのが2026年12月22日だろう。この日をもって出金受付が完全に終了し、残された集中型取引所の業務が締めくくられる。

CoinExは、準備金比率が100%を超えており預かり資産の裏付けは完全であると強調しているものの、期限間近にはネットワークの混雑や遅延が発生する恐れがあるため、早めの出金を強く呼びかけている。現物取引の終了後もプラットフォーム上に放置された資産は、自動的に売却されてテザー(Tether/USDT)に換算される可能性がある。

さらに、12月22日の期限を過ぎても引き出されずに残ったUSDTは、独立した資産管理業者=カストディアンへと移管される。カストディアンに移された後は、各顧客が当初移転したUSDT残高の5%に相当する高額な月額管理手数料が毎月徴収される仕組みとなる。

ユーザー側は2028年8月22日まで資産の返還請求が可能であるものの、月額手数料によって残高が大幅に目減りするリスクがあるため、期限内での自発的な出金が推奨されている。

規制当局との動向および過去の経緯

今回の閉鎖決定の背景には、世界的な規制環境の厳格化もある。

CoinExは以前から米国市場における事業縮小を余儀なくされており、2023年には無登録での運営を指摘されたニューヨーク州司法長官との間で和解合意に至り、同州内でのサービス提供禁止や罰金の支払いを行っていた。また、ブロックチェーン分析企業であるTRM Labsの報告では、同取引所が過去にイランの事業体関連の資金フローを多数処理していたことが指摘されるなど、コンプライアンス上の課題が絶えずつきまとっていた経緯がある。

数々の実績を残したCoinExの歴史はまもなく完全に幕を閉じる。ユーザーにとっては、手遅れになる前に資産を安全な外部ウォレット等へ移転することが、現在の最優先事項となっている。