アフガニスタン警察は仮想通貨ディーラーを標的に
アフガニスタン(※正式国名:アフガニスタン・イスラム首長国)警察は、同国中央銀行によって現在「詐欺的なデジタル通貨」と見なされているものを取引するための仮想通貨ディーラーを標的にしていることが分かった。
タリバンは仮想通貨の所有者を狙っており、ブルームバーグの最新報道によると、アフガニスタンのタリバン(※1)政権は、デジタル資産の取引を停止する命令に逆らっている仮想通貨ディーラーを逮捕。取り締まりは、中央銀行が仮想通貨の全国的な禁止を課してから1カ月後のことである。Heart(ヘラート)警察の犯罪捜査責任者であるサイード・シャー・サーダート(Sayed Shah Saadaat)氏は次のように語っている。
中央銀行は、すべての両替商、個人、およびビジネスマンが、一般にビットコイン(Bitcoin/BTC)と呼ばれるもののような、不正なデジタル通貨を取引することを停止するように命令しました。
イスラム教の神学校である「マドラサ」で学んでいた学生が中心となって結成され、学生・神学生・求道者の意味が込められており、アフガニスタンを実効支配するイスラム教スンナ派(多数派)諸派デーオバンド派のイスラム主義組織を指しており、アフガニスタン政府や同国駐留外国軍を主な標的としてテロを実行している過激派組織。
ヘラートではすでに逮捕者も
ヘラートはアフガニスタンで 3 番目に大きな都市で、伝えられるところによると、アフガニスタンの6つの仮想通貨取引所のうち4つをホスト。サーダート氏は、市内で20件の仮想通貨ビジネスが閉鎖されたほか、13人がすでに逮捕されていると主張。
仮想通貨、やステーブルコインの需要は、中央銀行が技術を全面的に禁止する前のアフガニスタンでは高く、富を保管する安全な方法と、国を越えて国外にお金を移動する手段をユーザーに提供。ステーブルコインは、米ドルやユーロなどの政府発行通貨との均衡を保つことを目的とした仮想通貨である。アフガニスタンは、1990年代から厳しい経済制裁を受けてきた背景を持つ。米国・バイデン政権は、タリバンが権力の座に戻ってカブールを占領した直後、新たな制裁を課したほか、ニューヨーク連邦準備銀行に保有されている70億ドル(約9698.5億円)以上のアフガニスタンの国庫も押収された。
アフガニスタンは、仮想通貨に対して厳しい姿勢をとっている唯一の国ではなく、ルーブルの安定を維持するためにロシアのウラジミール・プーチン(Vladimir Putin)大統領は最近、仮想通貨の支払いを違法とする法案に署名。さらに、中国では2021年夏に仮想通貨とビットコインのマイニングを禁止したことで有名である。